第41回鍛国研空知ゼミ例会
(以下,冨樫氏)
皆さん,第41回例会お疲れ様でした。鍛国研空知ゼミ 冨樫です。以下,例会報告です。
10月5日(金) 18:30〜20:00 岩見沢市立美園小学校にて小学生2名、保護者1名、教員3名、計6名で学び合いました。
1 冨樫忠浩〜詩の鑑賞指導「雑草」(大関松三郎)
問いは「おれは雑草になりたいと思っている。○か×か。」×が一名,残りは○という状況での論破の授業だった。「なりたくない」と本文に書いてあるにもかかわらず解は○ということが指摘された。授業者の理由付けは次の2点である。本文を2つに区切るとどこで区切れるかという問いが出され,「しかし」を逆接と捉えた読み。「野菜なんか」の「なんか」という言葉への着目である。題材としては興味深かった。更に2点のことが確認できた。授業者の深い教材解釈の必要性と,教師の読み取りへと誘う場合の発問の組み立て方である。
2 釜谷いずみ氏〜「詩歌」マスターカード(なぞなぞ詩)
例として以下の詩を挙げた。
「 」
使うと背が 縮んじゃう
帰るおうちは 筆箱だ
服を着ている 子もいるよ
いい匂いがする 子もいるよ (題名がなぞなぞとなる。答えは消しゴム)
授業の流れはこうである。
@プランくん,散文,詩の例を読ませる。
A学習用語を覚えさせる。
B散文を読み,プランくんにメモをさせる。
C散文を読み,詩を書くための学習用語を使って詩を書かせる。
Dなぞなぞ詩を発表させる。
今回,学習用語を4つに絞り,指導した。「改行,分かち書き,擬人法,音」である。
子どもの作品の中に学習用語が活かされていた。学習用語の行為化を保障している授業であった。
3 冨樫忠浩〜「作文力マスターカード」(3・4年生版)
教材は「表記マスターカード」である。流れはこうである。
@音読
A視写
B「間違い日記」を3分間で正しく書き直させる。
学習会に参加する子どものレベルはかなり高い。視写は2人共,80字を越えていた。
「作文カード」も3分でほぼ最後まで到達していた。作文用紙の使い方の授業としては、意義深い。しかし読点の有無を間違いとするか、等の今後への検討点もあった。
4 大谷和明〜音読指導「我が輩は猫である」(夏目漱石)
@範読
A最近の文章と比較させ,違いを考えさせる。
B音読させ相互評価させる。
C教師が指示した通りに読ませる。(例)喜びながら読む
教材は日本で初めての口語体小説。口語体で書かれていることにより,言葉に表情をつけることが可能となることを知らしめた授業だった。時節柄,学習発表会等での表現にも活用できる多様性のある実践だった。
参加人数は少なかったですが,充実した例会となりました。皆様,お疲れ様でした。