2006.9.17

『鍛える国語教室』空知ゼミ第25回例会報告

 昨夜空知ゼミ例会を14名で行いました。教員2名,実習生2名,大人2名,子ども8名でした。昨日も新しい教材の授業ができました。子どもを鍛えました。価値のある楽しいひとときでした。
 
 1 『なりきり作文マスターカード』の授業
 実習生が授業した。10分間で参加者全員に作文を書かせた。見事に育った。助言するのを忘れていたが,「主題」という言葉がわからない。だから昨日の「なりきり作文」では,何になりきるかではなく,作文で何を伝えたいかを決めさせてから座らせた方がよかった。すると,何になりきるかは簡単に決まる。ここだけが課題である。後は,45分で行う授業を見事に10分間に圧縮していた。よくがんばった。

 2 文学の読解指導
 初心者向けに教科書の授業を行った。実習生がいたからでもある。『大造じいさんとがん』の導入の授業と山場の授業を行った。いずれも10分間である。
  『大造じいさんとがん』の授業はこのように進めたい。1時間目は音読指導(20分間)。題名,作者名,本文の音読を何度もさせて指導する。表層読解指導(10分間)。時,場所,人物,行動,心情,事件,評価などを書かせる。授業作文(15分間)。本来ならば10分間で書かせたい。しかし,最初は書けないので,書き出しや会話文の書き方を板書しながら書かせる。00さんが言った。/「〜。」という会話の書き方が身に付いたら授業作文が書ける。『授業作文マスターカード』で別枠で鍛えてもよいだろう。2時間以降は場面読み(事件読みと言ってもよい)と心情読みである。心情読みは葛藤を読ませる。一時間で一つの論題で論破させる。(これは私の『きつねのおきゃくさま』の授業記録に詳しい。HPにアップしてある。昨日の例会でも行った手法である。)時間を追うごとに場面読みの時間を減らし,心情読みの時間を増やす。4時間目辺りでは場面読みを15分間,心情読みの論破を20分間,授業作文を10分間で行いたい。しかしこの授業の流れは野口流ではない。野口流では場面読みと心情読みとに分けない。しかし,初学の者でも論破をするにはこのように分けた方がよいだろう。私の実習生も既に論破の授業行っている。論破の授業が成立している。誰でもできるシステムにした。『大造じいさんとがん』では情景描写が多いので場面読みを情景読みと読んでもよい。私の学力マスターカードに文学の読み方を書いたので,それも参考にして貰いたい。

 3 文学の読解指導
 私のあとに冨樫氏が『大造じいさんとがん』の授業を行った。よくわからない授業で撃沈した。「め」という言葉に着目させるのはよい。「それは見下げる言い方だ。ところが逆に見上げている言い方がある。探す。」このように言い,見上げると見下げるという言葉を学習用語として指導するとよい。行動もたくさんあるので,限定し難い。論題もわかり難い。言葉も多い。洗練されていない。やはり撃沈という表現が正しいだろう。しかし,例会に来たから撃沈される。例会に来なければ撃沈もされない。ひたすら潜航である。ただし,採用試験を優先して貰いたい。そして,時間を見つけて授業研究をして貰いたい。優先順位が重要である。それにしてもマスターカードに学習用語列挙して,評価に拘っているところには感心した。

 4 段落相互の関係を読むマスターカード
 説明文の読解指導例である。私の新作『読解力マスターカード』の授業を行った。段落相互の関係をマスターさせる教材である。冨樫さんはよくできていると言ってくれた。子どもも楽しんで段落分けなどを行っていた。

 5 野口流漢字指導
 教科書巻末の漢字指導,漢字マスターカードの授業を行って終えた。1読みテスト,2掌(てのひら)書き,3空(そら)書き,4書きテストである。

 実習生も子ども大人も楽しんでくれたようだ。次回は10月6日である。私は例会のお蔭で授業を磨くことができる。御参加戴いている皆様に,心から感謝したい。