2006.9.17

『鍛える国語教室』空知ゼミ第19回例会報告

 昨日の630分から岩見沢市立美園小学校で標記を開催した。20名を越える方に御参加戴いた。有難い。次回は6月2日(金)である。お待ちしている。
 私は俳句講座を連続して行っていく。次回はいよいよ実作である。更にその次は全員の句で句会を行う。お楽しみに。

 1 柳谷先生の音読指導 
 『川とノリオ』を指導した。題名は大きく,作者名は小さく,本文を間を空けて読む。これが音読での学習用語である。
 23日に別海町立野付小学校で授業する。そこでもこのように授業する。
 書き出し部分を音読した。
 「変だなあと思った所はないか。」
 擬声語を6年生が指摘した。よろしい。この擬声語は変だ。冨樫先生から「擬態語ではないですか。」と帰路に質問された。擬態語と擬声語の線引きは難しい。私は擬声語ととらえた。
 「他にないか。」
 6年生のみなさんやその保護者の方がこのHPを御覧戴いていいたら,この書き方は変だなあと思う所を探してみてほしい。『川とノリオ』の最初のページを読むだけで,全体の流れがわかる。伏線という。
 重要なのは「川の声」だ。なぜ重要かは野付小学校の研究授業を終えてから書く。
 更に音読指導を続けた。最後のページである。私は最後のページを山場だと考えていない。この作品はかなりふらふらしている。それは書き手の冗長さが表れているからだろう。例えば中心事件と山場が違う。中心事件は母の死だろう。しかし主人公は母ではない。ノリオの心が揺れ動く葛藤場面は後半にある。最後のページではない。アステリスクをどう読むかがこの作品のポイントの一つだろう。(「*」をアステリスクという。)
 昨日の授業ではこれは扱わなかった。まだ6年生が習っていない教材だからである。いきなり私の解を教えては学ぶ楽しさが減るだろう。それは野付小学校でも言えることだ。どこかで討論させ,解を示さないで終えよう。すると,後で学ぶ楽しさを残すことができるからである。解を示さないのは野口流ではない。しかし,飛び込み授業であり,未習教材でもあるのでよしとしよう。
 「母ちゃん,帰れ。」と「母ちゃん,帰れよう。」のどちらをどう読むかを討論させた。あやちゃんが一人で戦っていた。賢い2年生だ。

 2 冨樫先生の詩の創作
 音読指導,詩の読解指導,詩の創作指導という流れである。定番にできるだろう。
 作年度末から冨樫先生の授業批評を言い続けてきた。どうも,発問の言葉を考えている間が多いのが気になっていた。緩急はよい。しかし,緩ばかりだとだれる。それがまず,昨日の授業には無かった。後で聞いた話だが,何度も授業を練った結果のようだ。偉い。
 教材開発が特によい。あの詩は面白い。創作の基準がややぶれていたのは気になった。ア行の全てを使わせることを基準とすべきだ。母音も指導すべきだ。あの詩に暗号が隠されていると更に面白い教材になる。あのような詩を自作すればよいのだ。もっと面白く書けばよい。相手に気づかれないような暗号のように書くことからレトリックは発達したのだろう。例えば戦時中などは気づかれてはいけない情報が多かった。
 暗号のような詩を書くとおもしろいと思った。釜谷先生にも言っているが,教材を自作した方がよい。
 何人かが創作を板書した。さすが私の学習会に来ている子の学力は高い。面白い詩をたくさん書いていた。

 今日の課題1 みなさんも挑戦しよう。次のア行を使って,〇〇〇〇〇の5音で4行の詩を書こう。「あかさたなはまやらわ」
 
 3 成瀬先生の漢字の授業
 学習会での初授業である。問題は多いが,挑戦する意欲が重要である。鳥がつく漢字の授業,烏の漢字の授業を行った。私の学級の子ども達は烏の漢字を知っているので面白くなかっただろう。教材開発に更に努力が必要である。しかし,挑戦する意欲が重要である。次回のネタ開発を期待する。

 4 柳谷先生の俳句の授業
 『俳句マスターカード』を書いた。いつも学習会前のわずかな時間で準備している。最近は仕事に追われ続けている。
 俳句の定型は五・七・五である。季語を入れる約束がある。季重ね(季重なり)はいけない。歳時記に季語が分類されている。上五,中七,下五を決める。そのどこかに季語を入れる。では埋字をしてみよう。「グラウンド(     )夏木立」上五と下五を決めている。下五に季語「夏木立」が入っている。だから中に入る7字を考えるとよい。
 みなさんも考えてみよう。

 今日の課題2 次の()に7字を入れて俳句を作ろう。「グラウンド(     )夏木立」

 8人に板書してもらった。その後,句会を行った。一番好きな句を決める。「グラウンド光り輝く夏木立」が一番人気だった。当たり前すぎると人気がない。
 かるちゃんの句がすてきだった。
 次回は子ども歳時記を書く。歳時記を使わないと俳句が思うように書きづらい。

 5 柳谷先生の漢字指導
 『漢字マスターカード』で指導した。指なぞり書き,掌書き,空書きで覚える。常用漢字を5冊のワークで覚えることができるマスターカードである。これが完成すると教科書教材を使わなくても国語授業ができるようになる。私は教科書教材を否定するわけではない。私の漢字マスターカードが完成すると教科書教材と自主教示を併用することが楽になるのだ。