国語科学習指導案

焦点精査の鑑賞指導『おにたのぼうし』4

 2008年2月13日(水)2時間目,3年3組児童28名,指導者 柳谷直明

本時(4/5)の指導目標を具体的に把握する。[1]

(1)指導事項 

鑑賞の学習用語(伏線部「女の子の人物像『人柄,行動,関係』,状況,事件の進行,様子,心情」/表層義・深層義)

(2) 指導事項を時間的な順序に配列する。

時配

学習活動

教師の働きかけ

備考

 

20

 

 

 

 

 

 

 

 

20

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5分

 

1 鑑賞

73ページ3行目から音読。

・なぜ,「ほっと」したのか。安心したからだ。

・「フーッ」は溜息の音である。深層義は何か。

・なぜ,「むずむず」したか。

・「じっと」していられないのはなぜか。おにたの心の美しさを読む。評価する。

・なぜ「こっそり」か。

・「もうむちゅうで」の深層義は何か。何を考えていたのか。実に気のいい鬼だ。

・人間の前に登場していいのか。この時点で中心事件が暗示されている。人間の前に出た。すると,せっかく見つけた家なのに住めなくなるかもしれない。こっそり食料を置くべきだ。なぜ,自己を顧みないのか。

・自分を顧みないおにたを評価する。自分のことも考えた方がよい。相手を思う行動としての利他はよい。しかし,自己犠牲はだめだ。

 2「授業作文」

・3分間で書く。

PISA型読解力を形成する。

1 鑑賞

(1)伏線部

@ 女の子の人物像

 ア 人柄

 優しい。

 イ 行動

 母親の看病。献身的。健気。

 ウ 関係

 親子。女の子は母親に対して優しい。

 おにたは女の子に対して同情した。

 おにたは女の子にどのような関係を望むか。

A 状況

 母親の病気。「ほっと」した理由。

 溜息の理由。後悔,空腹,安心。自己犠牲。

B 事件の進行

 「むずむず」の理由。女の子の嘘を感じた。なぜ,「じっと」していられなかったのか。食べ物があるかどうかを確かめたかったからだ。

 食べ物を与えた満足感。利他の喜び。

C 様子

 「かんからかんにかわいてい」る様子の表層義は水気がなく乾いている状態だ。深層義は食べ物が何も無いだ。具体例の2つが米と大根だ。

D 心情

 「もじもじ」の理由。表層義は行動の躊躇い。深層義はおいしそう。食べたい。でも,知らない人からの物なので食べられない。葛藤。

2 「授業作文」

女の子の人物像を評価する。

おにたの行動を評価する。

・自分の考えを『プランくん』に書く。

・他の人の意見は赤で書く。

・『プランくん』を鑑賞とまとめの「授業作文」の創作の両方で使わせる。

・学習用語をラベル欄に書かせる。ブランチ欄に自分の読みを書かせる。

・「授業作文」は3分で書かせてから,交流させる。

(3) 授業の成否を判定するポイントや反省観点。

・伏線での女の子の人物像を読んだか。山場へ至る事件の流れを読み,自分の考えをメモしたか。

・人物評価,「授業作文」で自分の考えを表現させたか。



[1] 野口芳宏著「四 本時の展開法の研究」(「鍛える国語教室 教材研究のための教師向けワークの開発(下)」『教材開発48号』明治図書,1992年1月,72ページ)