「保障」の意味

鍛国研(「鍛える国語教室」研究会)主宰 野口芳宏 


「保障」という字には2つあります。この「保障」というのは,他から侵害される,脅かされるということから守るという意味です。他から壊されないという意味です。日米安全保障条約はこの字を使っています。

「向上的変容を保障する」の「保障」は,やはりこの字でないといけないのです。

子どもの気持ちが散る要素がいろいろ有ります。そういうものから遮断し,きちっと学力向上にまっしぐらに向かわせるのです。そういうのが「保障」という言葉の正しい意味です。

借金の保証人,連帯保証人の保証というのは言偏に正しいと書きます。これは「私に間違いありませんよ。嘘でありませんよ」という意味です。このごろ学力保障というと言偏を使う印刷物がちらほら見られます。私は「そういうのは誤りだ」というふうに思っています。

 

2007年2月日(土)第9回国語修業講(札幌会場)札幌ホテルユニオンにて。