大会紀要,希望者にお譲りします。御希望の方は冨樫事務局長へ御照会ください。tada-nowhere☆angel.ocn.ne.jp(☆を@に)

 はじめに     日本言語技術教育学会北海道支部事務局長 冨樫忠浩

 

 日本言語技術教育学会第4回北海道支部研究大会を札幌市で開催できる運びとなった。参加していただいている皆様,遠方から駆けつけてくださる理事の皆様,そして柳谷直明氏をはじめとする北海道支部事務局のお蔭様である。

 さて,第4回大会のテーマは,「国語学力を形成する言語技術1~文学的文章~」である。

 日本言語技術教育学会の大内善一会長は,次の「言語技術』の三層」を提案している。

 

 Ⅰ 言語行為者がその言語行為の中で用いている言語技術

 Ⅱ Ⅰの言語技術を把握・理解する学習者の言語技術

 Ⅲ Ⅱの言語技術を身につけさせる教師の言語技術

 

我々、北海道支部では上記「Ⅱ Ⅰの言語技術を把握・理解する学習者の言語技術」に焦点を当てて研究を進め、文種毎の言語技術について検討する考えに至った。これが今大会テーマの設定理由である。

まず,北海道支部長の柳谷直明氏から文学的文章の読解指導における「学習用語」とその定義例を提案いただく。その後,全国から集まっていただいた6名に模擬授業を通して,それぞれが考える言語技術を提案いただく。

午前は,小学校の教材を扱う。『たぬきの糸車』(小1),『スイミー』(小2),『ちいちゃんのかげおくり』(小3),『わらぐつの中の神様』(小5)の4つである。

午後は,中学校の教材を扱う。『オツベルと象』(中1),『走れメロス』(中2)の2つである。

 小・中学校から,数多くの教材を扱い,小中の言語技術の系統を明らかにするねらいである。

模擬授業終了後,パネル・ディスカッションで,それぞれの授業者が提案した言語技術を徹底検討する。

さらに,文学的文章で指導すべき言語技術を低学年・中学年・高学年・中学で厳選する。

 パネル・ディスカッションでは,6名の授業者に加え,大内善一会長,中村孝一副会長,小森茂理事,長谷川祥子理事,そして北海道教育大の幸坂健太郎氏にも登壇いただき,文学的文章の言語技術を解明していく。参加者の皆さんにも発言していただき,共に考えていただきたい。

汎用性高い言語技術の指導,国語学力の向上を保障する授業改善は,子供たちの幸福に直結する。この使命を果たすべく,本研究大会を開催する。

 

 

日本言語技術教育学会北海道支部紀要 第2号国語学力を形成する言語技術1~文学的文章編~/目次

 

 はじめに 日本言語技術教育学会北海道支部事務局長      冨樫忠浩     1

 

1 基調提案 国語学力を形成する言語技術       柳谷直明     3

 

2 低学年の文学的文章で指導する言語技術                            30

~『たぬきの糸車』(小1)を例に~        和嶋康彦   

 

3 低学年の文学的文章で指導する言語技術                            35

~『スイミー』(小2)を例に~          岩下 修   

 

4 中学年の文学的文章で指導する言語技術               40

~『ちいちゃんのかげおくり』(小3)を例に~   照井孝司   

 

5 高学年の文学的文章で指導する言語技術                45

~『わらぐつの中の神様』(小5)を例に~      京野 真樹  

 

6 高学年の文学的文章で指導する言語技術                50

~『海の命』(小6)を例に~            冨樫 忠浩  

 

7 中学1年の文学的文章で指導する言語技術             55

~『少年の日の思い出』(中1)を例に~      野口芳宏   

 

8 中学2年の文学的文章で指導する言語技術                          60

    ~『走れメロス』を例に(中2)~          渡邊洋子   

 

 おわりに 日本言語技術教育学会北海道支部 支部長      柳谷直明      65