以下,『第1回学力形成塾』の報告である。

小学2年生生が3時間休みなく学んでいた。その姿に私は感動した。

小学1年生でも2年生でも,このように集中できるのだ。この集中する子どもの姿を見て貰いたい。教科書教材,学年枠にとらわれない授業開発に挑戦していく。

 17日(土)1315分から歌志内市公民館にて第1回学力形成塾を開催した。幼児1名,小学1年生3名,2年生1名,5年生1名,大人6名,教員5名,報道関係者3名の20名が集った。内容は以下である。

(1)活動を通して学ぶ 楽しい算数・数学教室1315分開始)

 @ 小2『ひき算のひっ算』(15分間,札幌市立もみじ台南小教諭,大谷和明)

 100そろばんを使用し,減減法,減加法を指導した。減減法,減加法という用語を板書した。小学2年生に減減法,減加法という用語を指導する必要はない。しかし,それをあえて板書し,指導する。算数でも国語でも,このような用語指導とその行為化が学力である。

A 小3『図で分かるわり算』(15分間,岩見沢市立美薗小教諭,冨樫忠弘)

具体的な操作(算数的活動)を通して,わり算での包含徐と等分徐を指導した。1年生でも,わり算ができていた。包含除と等分除の定義の違いがやや分かりにくかった。

B 小6『いろいろな形の体積』(15分間,岩見沢市立美薗小教諭,釜谷いずみ)

 隠れている立方体の体積も含めて求めさせる問題を扱った。クイズを答えるようで,2年生でも楽しく取り組んでいた。具体的な操作をさせると低学年でも体積の学習ができていた。

C 中2『簡単に攻略する式の計算』(15分間,歌志内市立歌志内小教頭,柳谷直明) 

単項式,多項式,同類項を指導した。小学2年生も単項式と多項式の弁別をしていた。しかし,+7x−5xの場合,7―5=2だから,+2xだと指導した。しかし,x-x=0だから,低学年だと2だと考えるだろう。したがって,+7xxxxxxxxであり,xxxxxxとここまで砕いて指導する必要があった。
 各15分間という時間の制約がある。したがって,国語だけに限定した方がよいのではないかという意見もある。しかし,これまで国語の授業研究で身に付けた授業力を算数で使うという発展的授業への挑戦である。もうしばらく算数授業も続けていきたい。
 

(2)活動を通して学ぶ 楽しい国語教室1420分開始)

 @ 漢字力形成(15分間,柳谷直明)

 小学4年生「必」「観」「機」「械」を教科書巻末で指導した。漢字の学び方を指導した。@読み,A書きに分けて覚える。Aは掌書き,空書きで覚える。これだけで覚えられる。

A スピーチ力形成(15分間,大谷和明)

日産社長カルロス・ゴーン氏の株主総会での挨拶の翻訳を使ったスピーチ指導である。社長になりきってスピーチをさせた。小学生を評価者にさせ,遊ばせない工夫がされていた。

B 作文力形成(15分間,冨樫忠弘)

PR作文を指導した。全員に作文を書かせた。『プランくん』を初めて使う人ばかりだった。だから,メモに苦慮していた。メモを書かない人もいた。個別の机間巡視が甘い。

C 自学力形成(15分間,釜谷いずみ)

家庭学習講座だった。保護者には,どのように家庭学習をさせるかがよく分かっただろう。次回は柳谷が高学年向けの自学(家庭学習)を提案する。

D 読解力形成(15分間,柳谷直明)

小4教材『花を見つける手がかり』の読解指導を行った。今回は音読,段落を指導した。説明文で何を読ませるか。次回は,その辺りに切り込んで貰いたい。

E 鑑賞力形成(15分間,冨樫忠弘)

小3詩教材『かもつれっしゃ』の鑑賞指導を行った。短い時間の授業では,詩教材は効果的である。意見も分かれて楽しかった。ただし,この詩の鑑賞の焦点化が「列車が近づいているか」の発問でよいかは疑問だった。貨物列車の勇壮さを主題として読ませる発問を開発したい。小1年生が「かもつれっしゃしゅっしゅっしゅ」と歌っていた。次回は柳谷が鑑賞指導を担当する。

(3)連続講座1 教育課程編成のいろは(柳谷直明,1555分〜20分間)〜平成21年度の移行措置,新教育課程編成計画方法を提案〜

教員以外にも,多くの方がいた。特に小学1年生がいた。そこで,小学1年生でも楽しめる授業を通して,平成23年度からどのような授業が求められているかを提案した。国語科以外でも求められるスピーチ指導,インタビュー指導を楽しく経験させた。小1年生がみんなの前で,メモも何も見ないでスピーチをした。かわいいスピーチの向上的変容に感動した。

(4)連続講座2 これだけは身に付けたい授業技術ベスト3(大谷和明,1615分〜20分間)

参加された大人を巻き込んだ講座だった。授業に何を求めるか。多くの方の意見を伺えて参考になった。今回は「全員参加の保障」を提案した。「菜の花や月は東に日は西に」の俳句を教材として,授業を取り入れた講座である。連続講座はこの形式が参加者の勉強になる。