『わすれられないおくりもの』の指導案３年生用

国語科学習指導案『わすれられないおくりもの』の鑑賞指導

2007年７月６日（金）13時15分～14時00分，別海町立野付小学校３年生教室

児童　別海町立野付小学校３年生21名，授業者　柳谷直明

本時（１／１）の指導事項を具体的に把握する。[1]

（１）指導事項――次の学習用語を指導し，評価し，行為化させる。――

言語活動１　授業作文　作文を適正にさせるための学習用語。①引用，②問い，③答え，④段落。

言語活動２　読解　読解を適正にさせるための学習用語。①主人公，②人柄，③結果，理由，④心情，⑤生死，⑥比喩，⑦事件，⑧行動，⑨指示語，指示内容，⑩直喩，⑪接続語，逆説，⑫幸，不幸，⑬利己，利他，⑭無形，⑮価値

言語活動３　論破　論破を適正にさせるための学習用語。①引用，②課題，③結論，根拠。

（２）　指導事項の配列

時配

子どもの言語活動

教師の指導事項（太字が学習用語）

備考

10分

15分

10分

１　授業作文

①作文が好きか嫌いか。

②向上したいと願う。

③音読，視写に取り組む。

２　読解

①登場人物，主人公を読む。

②主人公の人柄を読む。

③心情，結果，理由を読む。

④比喩を読む。

⑤事件の始まりを読む。

⑥時，場所を読む。

⑦穴熊の行動を読む。

⑧指示内容を読む。

⑨逆接の接続語を読む。

⑩幸福と不幸を知る。

⑪穴熊はなぜ幸福なのか。

３　論破

①『プランくん』のラベル欄に学習用語を書く。

②ブランチ欄にメモする。

③自分の結論をメモする。④なぜなら，穴熊は心が広

　いから。人の役に立ってきたからである。

　４　価値

①利己と利他を知る。

②感謝される喜びを知る。

③利他に生きようとする心が幸福である。

　５　授業作文

授業での学びを書く。

１　授業作文

①実態評価を行う。作文に自信があるかどうか。向上への意欲を持たせる。

②「授業作文」（柳谷直明編『作文力マスターカード　小学３～４年生用』，明治図書，2007年３月，88～91ページ）を使用する。

２　読解

①穴熊―主人公。頼りにされている。―人柄。

②２つの理由を書く。

③死ぬことを恐れていない。―心情。

④心は残るから。―理由。

⑤くよくよしない。―結果。

⑥脇役―後―自分の死の後―生。

⑦主人公―先―長いトンネルの向こう―死。

⑧ある日―時―事件の始まり。

⑨丘で土竜と蛙の駆けっこを見る。―行動。

⑩その―指示語，指示内容―土竜と蛙の駆けっこを見た日。

⑪が―接続語―逆接。走りたい。しかし，無理。

⑫脇役―走る―楽しいー幸福。

⑬主人公―走れない―楽しくない―不幸。

３　論破

①「自分も幸せ」なぜ，幸せか。

　４　価値

①なぜ，利他が幸福なのか。

②穴熊は利他に生きてきた。だから，人の幸　　福を喜べる広い心を持っている。

③穴熊の利他の心がみんなにとっての忘れられない贈り物だ。利他に無形の価値がある。

　５　授業作文

５分くらいで書かせて，発表させる。

・時間厳守。

・導入不要。

・音読指導は省略する。

・ＡだからＢ。Ａ―理由，Ｂ―結果。

・学習用語を限定して板書する。普段はもっと板書したい。

・中学年は特に指示語，接続語を指導する。

・論破を指導する。「～に反対です。なぜなら―だからです。」

・○か×かを問う。

・幸福の条件を指導する。

・次時から具体例を読ませる。

・向上的変容を自覚させる。

・まとめさせる。

（３）指導評価　学習用語を行為化させ，読解させたか。論破で鑑賞を深めさせたか。

[1] 野口芳宏著「四　本時の展開法の研究」(「鍛える国語教室　教材研究のための教師向けワークの開発（下）」『教材開発48号』明治図書，1992年１月，72ページ)