『おぼえていろよ　おおきな木』の指導案2年生用

国語科学習指導案　『おぼえていろよ　大きな木』[1]の鑑賞指導

2007年６月25日（月）13時10分～13時55分，美唄市立中央小学校２年１組教室

児童　美唄市立中央小学校２年１組35名，授業者　柳谷直明

本時（１／１）の指導事項を具体的に把握する。[2]

（１）指導事項――次の学習用語を指導し，評価し，行為化させる。――

言語活動１　読解

読解を適正にさせるための学習用語。①題名，②作者名，③場面（時，場所，人物），④事件，⑤心情。

言語活動２　論破

論破を適正にさせるための学習用語。①引用，②課題，③論破（結論・根拠），④主題「木を切る悪に気づいたおじさんの善への成長」。

（２）　指導事項の配列

時配

子どもの言語活動

教師の指導事項（太字が学習用語）

備考

15分

30分

１　読解

①１つの方法を学ぶと知る。先生によって指導法が違うことを知る。

②物語で何を読むか。

②題名，作者名，場面という学習用語を知る。

③見えない心も考えると分かると知る。

④物語では，見えない心を読むのが楽しさだと知る。

⑤おじさんの心情を読む。

⑥「おぼえていろよ。」を急，強で読むと知る。

２　論破

①おじさんが木に対して，腹立たしく思っていた理由を読む。

②自分もおじさんのように嫌になると想像する。

③だから，木を切って善かったと考える。

④なぜ，「なきつづけ」たのかと疑問を持つ。

⑤木を切ったのは悪だったと気づいたと読む。

⑥善へと成長したと読む。

１　読解

①『おぼえていろよ　おおきな木』を物語の何というか。ノートに書かせる。佐野洋子を物語の何と言うか。ノートに書かせる。

②題名，作者名を板書して指導する。

③２ページ目を読み聞かせる。

④時，場所，人物をノートに書かせる。

⑤心は見えない。だから，人の心は分からない。○／　心は見えない。でも，見える体から少しは分かる。×

⑥「かたを　すくめました。」，「けとばしながら　いいました。」これらから，「腹立たしい，いまいましい，苦々しい」という心が分かる。おじさんは怒っている。

見えない心を読む楽しさを知らせる。

２　論破

①「ねむって　いられません」，「ことりのふん」，「パリッと　かわきません。」，「なんびきも　けむしが」，「あかいみを　ぬすみに」，「はっぱが　おちました。」，「ゆきが　ドタッと」。これだけの事件が起きた。だから，木を切るという大事件に発展した。

②18～19ページを配る。次を引用させる。

「おじさんは　おおきな木を　きりたおして　しまいました。」

「きりたおして」よかったか。

③論破させ，読みを深めさせる。

④主題を決めさせる。そして，文章化させる。

・時間厳守。

・導入不要。

・『お話対話』という柳谷が開発した言語活動を行う。

・「おぼえていろよ」は「おぼえ」（動詞連用形），「て」（接続助詞），「いろ」（動詞命令形），「よ」（終助詞）で，出来ている。

・論破を指導する。「～に反対です。なぜなら―だからです。」そして読みを深めさせる。

・○か×かを問う。

・善悪，成長，主題を指導する。

・向上的変容を自覚させる。

（３）指導評価　学習用語を行為化させて，読解させたか。論破で鑑賞を深めさせたか。

[2] 野口芳宏著「四　本時の展開法の研究」(「鍛える国語教室　教材研究のための教師向けワークの開発（下）」『教材開発48号』明治図書，1992年１月，72ページ)