『まんがの方法』の指導

国語科学習指導案　『まんがの方法』（石田佐恵子著，教出小５上）の読解指導

2007年５月２日（水）13時15分～14時00分，別海町立野付小学校５年生教室

児童　別海町立野付小学校５年生男16名，授業者　柳谷直明

本時（１／１）の指導事項を具体的に把握する。[1]

（１）指導事項――次の学習用語を指導し，表現活動で行為化させる。――

言語活動１　音読　音読を適正にさせるための学習用語　①大小，②緩急，③高低，④昇調・降調。

言語活動２　批判　読解を適正にさせるための学習用語　①構成「序論（話題，問い，仮説，方法の紹介など），本論，結論（答え，本論の要点，答えの意義など）」，②文体加工「削除，漢字，常体」。

言語活動３　作文　作文を適正にさせるための学習用語　①常体，②文を短く，③２～４行くらいで改行，④５分間で10行の速度，⑤句切り符号や助詞（は，へ，を）を正しく。

（２）　指導事項の配列

時配

子どもの言語活動

教師の指導事項（ゴシック体が学習用語）

備考

10分

25分

10分

１　音読

・一つの方法を学ぶと知る。先生によって指導内容が違うことも知る。

・音読が向上するための学習用語を知る。

・個人練習，相互練習をさせる。

・最後に評価をさせる。

２　批判

・文章全体の構成を知る。説明文では，「序論，本論，結論」で読むと知る。

・序論に書かれる内容を知り，文章を分類する。

・ノートに解を書く。

・不要な語がある。漢字が少ない。敬体で書かれている。１文が長い。文体加工で短くすると読みやすくなると知る。

・文体加工を表にする図表化という方法も知る。

・本論では，コマ，台詞，人物，背景が書かれていると知る。

・序論①～③－本論④～⑬，結論⑭～⑯と知る。

　３　作文

　原稿用紙半分を目指す。

１　音読

・『まんがの方法』－表題，題名，題字

・「石田佐恵子」－筆者名，著者名

・「本屋～」－本文（ほんぶん，ほんもん）

・題名から音読，始め。

・大小（題名，筆者名），緩急（読速「物語文・説明文」，間「句点・読点」），高低（会話文，本文），昇調（疑問，継続）・降調（終了）を指導する。全体，相互評価をさせる。

２　批判

（１）序論には，話題，問い，仮説，方法の紹介などがある。

ア　この説明文の話題は何か。漫画だ。

イ　問いの文はどれか。ノートに写す。

「では，そのおもしろさのひみつは，どんなところにあるのでしょうか。」

「削除，漢字，常体」で文体加工する。

漫(まん)画の面白さの秘密(ひみつ)は何か。

ウ　仮説は何か。「まんがの方法」である。

エ　この説明文が書かれる方法は何か。「ストーリーまんがを例」に書かれる。

（２）結論には，答え，本論の要点，答えの意義などがある。どこから結論か。

　問いに照応する答えが無い。そこで書く。

漫画の面白さの秘密は「漫画の方法」にある。コマ⑤⑩，台詞⑥⑦⑬，人物⑧⑨，背景⑫などが工夫されている。（次回，小段落の話題を４つに分類させる。）答えは正しいか。

　３　作文

　作文の学習用語を指導し，行為化させる。

・時間厳守。

・漫－常用，画－２年，面－３年，白－１年，秘密－６年，何－２年配当。

・小段落１は152字なので12～20秒で音読させる。

・全体構成を図式化して板書する。

・初めて聞く学習用語が多い。だから，よく分からない。しかし，使い続けると分かるようになる。

・「授業作文」を５分間で書かせる。10行書かせる。

・消しゴムを使わせない。間違っても進ませる。

（３）指導評価　学習用語を行為化した音読，批判，「授業作文」執筆をさせたか。

[1] 　野口芳宏著「四　本時の展開法の研究」(「鍛える国語教室　教材研究のための教師向けワークの開発（下）」『教材開発48号』明治図書，1992年１月，72ページ)