15回累積科学国語教育研究会 札幌学習会資料

国語科学習指導案『アレクサンダとぜんまいねずみ』

 2007年5月19日(土)

授業者 柳谷直明(岩見沢市立美園小学校)

勤務先住所 岩見沢市美園5条4丁目4−1

個人メール naoir2006@topaz.plala.or.jp

鍛国研/空知ゼミHP http://www17.plala.or.jp/naoir2006 

本時(1/1)の指導目標を具体的に把握する。[1]

(1)指導事項を列挙する。

@音読(大小,緩急,高低)

A読解(表層義「場面,事件,心情」,深層義「真意,葛藤」,主題「変容,成長」)

B作文(常体,短い文,会話文,改行段落,漢字の使用)

(2) 指導事項を時間的な順序に配列する。

時配

学習活動

教師の働きかけ

備考

10

 

 

 

 

 

20

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15

 

1 音読

64ページを音読練習する。

・上手な音読を知る。

・音読を評価し合う。

・音読の向上を認め合う。

2 読解

・アレクサンダの願いは大きく利己的なものと利他的なものに分かれると知る。

・利己的なAより,利他的なBを選択することで,アレクサンダは幸福を得たと知る。

・板書されている抽象的な言葉を組み合わせて,作品の中心的な内容である主題を決める。

3 作文

・授業での学び,自らの向上的変容を「授業作文」として書く。

・自己評価も書く。

1 音読

・題名は大きく,著者名は小さく,間を十分空けて,やや低い声で本文を読ませる。

・会話文と地の文の読み分けをさせる。会話文は状況に合わせた読み方をさせる。会話文と地の文は,間を空けさせる。

2 読解

・全文を黙読させ,アレクサンダの願いは何かを書かせる。

・山場の願いの深層義を書かせる。友達であるウイリーを助けたいという願いが深層義である。

・A 発条鼠になりたい。

 B ウイリーを助けたい。

 この2つの違いをノートに短く書かせる。

・板書された言葉から,主題を書かせる。

・「利己から利他へと向上的に変容したアレクサンダの成長」を教師の解として明示する。

 3 作文

・作文の学習用語を板書し,それらを使って7分間くらいで作文を書かせる。

・7分間で400字詰め原稿用紙半分くらいを書かせる。小学2年生としてよい速さだ。

・短時間で読むという緊張感と楽しさ。

・『プランくん』に分類させて読ませる。

・『マスターカード』のメモを基に,読解指導が終了してから「授業作文」を書かせて読みを深めさせる。

・学習用語を板書する。

・できれば論破で深層義を読ませたい。時間がなければ指導する。

・「授業作文」を7分くらいで書かせたい。

(3) 授業の成否を判定するポイントや反省観点を書く。

        音読の学習用語を理解し,行為化させることができたか。

        書かれている内容を根拠に発言させたか。反論を聴かせ,自分の結論を熟考させたか。

        向上的変容したアレクサンダの深層義を読み,主題を決めたか。



[1] 野口芳宏著「四 本時の展開法の研究」(「鍛える国語教室 教材研究のための教師向けワークの開発(下)」『教材開発48号』明治図書,1992年1月,72ページ)