国語科学習指導案『アレクサンダとぜんまいねずみ』2

 2007年2月1日(木)4時間目,2年2組児童27名,指導者柳谷直明

本時(2/3)の指導目標を具体的に把握する。[1]

(1)学習用語 表層読み(場面「時,場所,登場人物,行動」,理由,関係,葛藤,中心場面・中心事件の決定」),深層読み(葛藤、選択、中心場面、中心事件、クライマックス、山場、発見、消失、正誤、善悪、判断、論破「引用,課題,結論,根拠,反論」)。

(2) 指導事項を時間的な順序に配列する。

時配

学習活動

教師の働きかけ

備考

10

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10

 

 

 

 

 

 

 

25

 

1 深層読み

・なぜ「ためいきをついた」のかを考える。

・アレクサンダはかわいがられていない。彼の身の不幸を知る。

・人間に嫌われない方法を知る。

・人間に嫌われずに生きていけないというアレクサンダの葛藤を知る。

2 中心場面、中心事件

・中心場面がどこから始まるかを決める。

・中心事件を決める。

・主人公が最大に葛藤する事件が中心事件であり、そこがクライマック(山場)である。

3 論破

・アレクサンダの願いを読む。

・願いを叶えるための努力を読む。

・願いの正誤、善悪を判断する。

・他者の意見に傾聴し、自らを深化する。

・アレクサンダは生きているから幸せだと知る。

1 深層読み

アレクサンダの葛藤を読ませる。アレクサンダは人間に大事にされたい。しかし、大事にされない。だから大事にさせているウイリーを羨んでいる。

A 餌を食べると人間に嫌われる。

B 餌を食べないと人間に嫌われない。

人間に嫌われたくないので、Bを選択したい。しかし餌を食べないわけにはいかない。AとBのどちらも選択できないので葛藤している。

2 中心場面、中心事件読み

中心場面を読ませる。小石の話と蜥蜴との出合いは事件発端である。したがって中心場面ではない。71ページ9行目から中心場面である。事件が展開する。中心場面は小石の発見から小石の消失である。そこでのアレクサンダの最大の葛藤場面が「ぼくは……」である。ここが中心事件である。構成を読ませる。

3 論破

「ぼくを、ぜんまいねずみにかえらる」に対して課題を持たせる。

アレクサンダはぜんまいねずみになりたい。なぜか。人間に大事にされたいからである。果たしてぜんまいねずみなると人間に大事にされるの。されるはずがない。しかし子どもはこのアレクサンダの願いは妥当だと判断する。そこで論破させる。

生きている鼠であるから幸せだというアレクサンダの価値に気づかせる。

・1時間で67ページまでを読ませた。特にアレクサンダやウイリーの対人間との関係を読ませた。更にアレクサンダとウイリーの関係も読ませたい。出合いの喜びである。アレクサンダが生きているから、鼠だから出合えた。生きる幸せ出合いの場面で暗示しておく。

・本時で71ページの8行目まで読ませたい。願い、努力を特に読ませる。

・授業作文を5分くらいで書かせたい。

(3) 授業の成否を判定するポイントや反省観点。

        アレクサンダの置かれている状況から、彼の葛藤を理解させたか。

        作品全体のクライマックスを決め、なぜそこなのかを理解させたか。

        自分の願いを叶えたいというアレクサンダの真剣さを読ませたか。



[1] 野口芳宏著「四 本時の展開法の研究」(「鍛える国語教室 教材研究のための教師向けワークの開発(下)」『教材開発48号』明治図書,1992年1月,72ページ)