『海の命』の指導案６年生用

国語科学習指導案『海の命』の鑑賞指導

2007年10月5日（金）別海町立野付小学校6年生

　上記，省略。

　６　本時（３／５）の指導事項を具体的に把握する。[①]

（１）指導事項――次の学習用語を明示し，指導し，評価し，行為化させる。――

言語活動１　読解　読解を適正にさせるための学習用語。①クライマックス，②葛藤，③傲慢，④謙虚，⑤勇気，⑥自己評価，⑦向上的変容など。

言語活動２　作文　作文を適正にさせるための学習用語。①引用，②問い，③答え，④改行段落，⑤句切り符号，⑥常体，⑦漢字など。

言語活動３　スピーチ　スピーチを適正にさせるための学習用語。①メモ，②強弱など。

（２）　指導事項の配列

時配

子どもの言語活動

教師の指導事項（ゴシック体が学習用語）

備考

20分

15分

10分

１　読解

①クライマックス読み

・一文に線を引く。

・なぜ，そこに線を引いたかの理由を書く。

②葛藤読み

・太一はクエを獲れるか獲れないか葛藤している。

・クエを獲られない理由を書く。クエが堂々としているから。無駄な殺生だから。クエと戦うと自分も父のように死ぬかもしれないから。父を殺した相手だから怖い。クエと自分の命を大切にしたいから。母を悲しませたくないから。

③　主題読み

クエの姿に感動したから。クエの堂々たる姿に命の尊厳を感じたから。クエに海の命を感じたから。

２　作文

・学習用語を行為化し，作文を書く。

・学習用語で褒め合う。

　３　スピーチ

・向上的変容を自覚する。

１　読解

①　クライマックス読み

『海の命』のクライマックスの決定。

Ａ　この魚をとらなければ，本当の一人前の漁師にはなれないのだと，太一は泣きそうになりながら思う。

Ｂ　水の中で太一はふっとほほえみ，口から銀のあぶくを出した。

Ｃ　もりの刃先を足の方にどけ，クエに向かってもう一度えがおを作った。

Ｄ　「おとう，ここにおられたのですか。また会いに来ますから。」

② 葛藤読み

・太一の葛藤は何か。

Ａ　クエを獲れる。（傲慢）Ｂ　クエを獲れない。

・なぜ獲れないのか。太一が謙虚になったから。

③ 主題読み

・太一の葛藤の頂上はＡの文だ。「ふっとほほえみ」で平常心に戻る。なぜ戦わなかったか。

・主題はこうだ。クエの命に感動し，自らの傲慢さを乗り越えた太一の勇気。

　２　作文

・「授業作文」を書かせる。

・作文の学習用語を簡単に確かめる。

・５分くらいで書かせて，発表させる。

　３　スピーチ

・『プランくん』でスピーチをさせる。そして，自己評価をさせ，向上的変容を保障する。

・導入不要。

・『プランくん』に書かせる。

・この授業では横書きで板書。

・クライマックスは心が最も高まった状態である。登場人物の心情の頂上だ。心は嬉しいとか悲しいだけではない。どうしたらよいかと迷う場合がある。その心を葛藤と指導する。ここでは，太一の葛藤がクライマックスである。

・学習用語を板書する。

・○か×かを問い，論破させる。

・向上的変容を自覚させる。

（３）指導評価　学習用語を行為化させ，読解させたか。論破で鑑賞を深めさせたか。授業作文で，学びをまとめさせたか。

[①] 野口芳宏著「四　本時の展開法の研究」(「鍛える国語教室　教材研究のための教師向けワークの開発（下）」『教材開発48号』明治図書，1992年１月，72ページ)