2005.9.1UP




28日(水) 全道国語教育研究大会まで,毎日授業記録を書く。こう考えているが,今日は国語がなかったので書かない。10月14日の授業の見所を書く。速報の原稿である。反論する1年生,5分間で200字を書く1年生 国語科で何をどう育てるのか。私の次の書で具体的に提案した。『<学習用語のカテゴリー化>で<国語学力>を育てる』(柳谷直明著,明治図書,2004年3月。)国語科で教えることは学習用語である。教える方法は言語活動である。この提案を具体的な教材にしたのが『確かな国語学力(基礎・基本))を育てるマスターカード』(野口芳宏監修/柳谷直明著/「鍛える国語教室」空知ゼミ著)である。第1分科会では「論破」という野口芳宏先生が開発された言語活動を扱う。「論破」を適正に成立させるために学習用語を指導する必要がある。具体的な学習用語を系統的に指導すると,子供がこんなに育つことを御覧戴きたい。本時の学習用語は研究紀要に書いた。上記の書は書籍販売コーナーにある。いずれも御覧戴きたい。/ 保護者の皆様へ 10月14日(金)のお知らせ いよいよ全道国語教育研究大会・空知大会が近づいて参りました。この研究大会での公開授業を2年前から学校長を通して委嘱されていました。空知の国語教育の発展のため,美園小学校で縁する子供達の向上のために有難く快諾させて戴きました。授業公開は教師である我々が自らの授業を向上させる最大の機会です。多くの方に授業を御覧戴き,厳しい御批評を戴くのです。こうして子供にとって価値ある授業が創造されるのです。実は前回,岩見沢で行われた全道国語教育研究大会でも私は授業をしています。高学年の詩の創作の授業でした。そのころは空知作文教育研究会の事務局をしていた関係で授業を委嘱されました。今は作文というより国語科教育全体を考える必要があるという理由で作文だけの研究会にはあまり関わっておりません。空知の国語はかなり遅れています。空知の教育自体が遅れているといってもよいでしょう。そんな中,空知で全道大会を行いたいという一部の先生方の熱意に私は大いに賛同しました。そしてこの2年間くらい,国語の授業を公開したり,市内の先生方の国語の授業を参観したりして意見を言い合ってきました。大いに学ばせて戴きました。私は「話すこと・聞くこと」という領域の授業を希望しました。なぜなら,これまでの国語科で実に軽視されてきた領域だからです。古くは明治時代から必要性が叫ばれながら,多くの先生方はこの領域の授業に取り組んでこなかったのです。例えば国語科でインタビューがきちんと指導されていません。しかしインタビューは子供達の調査活動では絶対に必要な活動なのです。スピーチやパネル・ディスカッションなどの「話すこと・聞くこと」の言語活動が小学校国語科で,きちんと指導されてきませんでした。だから多くの先生はこの領域の授業が得意ではないのです。幸い私は野口芳宏先生に「話すこと・聞くこと」の授業を何年も学ばせて戴きました。自分でお金を払い,研究会へ参加したり,本を沢山買ったりして学んできました。そのお蔭で少しは授業ができるようになってきました。4月に入学したこの子達は大変に素直です。よくがんばる子供達です。この子達くらいに話をしたり,作文を書いたりする1年生は北海道に少ないでしょう。当然,岩見沢市内では美園小学校の1年生のような1年生はいないと思います。それだけよく成長してくれました。私は自信を持ってこの子達を全道の先生方に紹介します。そして1年生だからこそ「話すこと・聞くこと」の授業が必要だと主張します。「話すこと・聞くこと」の指導を国語科で行うとこんなに生き生きと学ばせることができるということを御紹介します。楽しい授業,国語学力を形成する授業を14日に行います。何を扱うかはまだ秘密です。子供達には当日のお楽しみにしていますので。保護者の皆様は美園小学校1年2組の保護者と受付で仰ってください。参加費は取らないと大会事務局長の松井牧子先生が仰っていました。。参加者が700名を超えるそうです。私の授業は人気ベスト3に入っているそうです。ですから参観される方は少し早めにいらっしゃってください。10時30分の授業開始時間には教室へ入れないでしょう。1時間前くらいにいらっしゃると確実に教室へ入れるでしょう。最近,授業参観でガムなどを食べている保護者を見かけます。授業は子供と教師の真剣勝負の場です。物を食べない,私語をしないことをお守りください。すばらしい美園小学校1年2組の全道デビューです。全ての経験が子供達の向上のためになります。御理解,御協力をお願い致します。


27日(火) マーガレット・ワイズ・ブラウン『たいせつなこと』(フレーベル館,2001年9月)の授業 2年生配属の教育実習生が私の学級で初めて授業した。授業スタイルは私の授業を参観していたので類似していた。しかし論破はさせていない。楽しい授業だったので主な発言を書く。子供達は実に素直である。私もそうだが,授業をした実習生も子供達の純粋さに驚いていた。おもしろい本を持ってきました。すっごくおもしろいんだよ。感動して涙が出る。授業の導入である。これだけで子供達は驚いていた。エー! このような語りが授業の導入には適している。これから楽しいことが始まるとよと大袈裟に言おう。この本は私も全道研で使う候補として買った本である。物語性に欠けるので使うのをやめた本である。しかし実習生の授業は盛り上がった。実習生自体がこの本で感動したという体験が教材開発につながったのだろう。本を出すと,子供達が題名を読んだ。実習生が5ページを読んだ。どうしてこおろぎは黒いんですか。こう子供が問うた。それは書いてあったかな。絵本に書いてあることで質問できる人。こおろぎは夜にどうやって鳴くんですか。「チリリリ」です。正解です。正解は「チリリリ」です。でも本当はちんちろりんだよ。いつもの私の授業のように問答が進んでいった。姿勢が悪い3人の男子がずっと気になった。途中,手遊びをする子が多くなり,持つかなあと思っていた。すると最後のページだった。白い紙で最後のページを隠してある。板書した。「あなたにとってたいせつなこと」はなにか? よく本文を読むと「あなたにとってたいせつなのは」になっている。この場合正しく引用しないといけない。それと疑問符や感嘆符などの符号はあまり使わない方がよい。友達(りゅう君),いのち(あやちゃん),いのち(りかちゃん),ほね(あちゃん),家族(り君),脳(大君),心(うじゅん君)後ろで聴いていて,感心した。お金なんて言う子はいなかった。実習生は言った。何でこれらのものが大切なの。その人が大事だったら,その人が死んだら嫌でしょう。(かるちゃん)仲良しになって友達と遊ぶから。(風ちゃん)命が大切。(6人が挙手していた。)命をなくしたら泣くでしょう。(かるちゃん)命がなくなったらいなくなっちゃうから。(あやちゃん)友達が死んだら遊べないから。死なないようにするのが大切だから。(かるちゃん)骨がないと歩けないから。(風ちゃん)骨がないとごはんが食べられなくて死んじゃうから。骨がないと入院して遊べなくなるから。(あちゃん)今まで大切にしてくれたお父さんやお母さんがなくなったらさびしいし,子供達でやんなくてはいけないから家族は大事。(かるちゃん)能がないと勉強できなくなるから。(大君),脳味噌も大事。脳梗塞。(意味がわからない。)心は。心がなかったら死ぬから。心がないと優しい気持ちを持てないから。(風ちゃん)あとね,首の骨も大事だよ。本にはどう書かれているかな。こうして最終ページを読んだ。「あなたがあなたであること」自分が自分でいること。どういうことかな。自分がもし生まれていなかったら,こんな楽しいことはなかった。だから生きててよかったなあ。(かるちゃん)自分が自分でいつも同じ体も一緒だから自分が私にわかれる。(風ちゃん)もしかしたら家族しかいなかったら自分が自分の体を守る。だから体が大事。(りゅう君)例えばおもちゃ。自分は自分の命も守らなければいけないし,骨も守らなければいけない。他の人にできないことがいっぱいある。家族とか大事なの。(りゅう君)りゅう君が何もできないとするでしょう。家族がいなかったら何もできない。りゅう君にとっては家族と体。みんな他の人と違う大事なものを持っている。それがあなたがあなたであること。『作文くん』を出す。2つのことを書いて。この本はおもしろかったかおもしろくなかったかを決める。そしてどうしてか。2つ目,先生はこのクラスで始めて授業をしました。感想を書いて。始め。4分間で書かせていた。後半の解釈にやや問題があるように思う。子供達から出てきた解と「あなたがあなたであること」を比較したかった。私はこう考える。「いる」ではなく「ある」とは何か。「いる」という静的な自分ではなく「ある」という動的な自分を大切にするということである。自分の外に「大切なこと」を求めるのではない。自分自身を「大切」にするということである。自分を大切にすることから命であり,家族でありと価値が拡大していく。もっとも大切なのは自分を信じ続けることだと私は考える。子供の解がおもしろかった。それを引き出したこの授業もおもしろかった。問題は教師の解を確定して授業に臨むということである。「あなたがあなたであること」をどう解釈するかという解である。授業の問題点はそのくらいだった。実習生は皆,この5週間で驚くほど向上的に変容した。この授業を参観していて,更に発言の偏りが私の日常的な授業の問題点になっていることを感じた。メモを何らかの形で取り入れていかないと全員参加の授業とは言い切れない。メモをどうさせるか。自己評価をどうさせるか。全道研に向けての課題である。なんと全道研は700名の参加申し込みがあるそうだ。楽しみだ。


27日(火) 授業反省 昨日の日記の続きである。早朝,書類を片づけながら子供にとって何が不足しているのかを考えた。なぜなら昨日の授業に満足できないからである。一部の子の発言はすばらしい。聴いていて,よくそこまで考えていると感心する。私も同じような反論をするだろうと思いながら聴いている。しかし一部の子である。大多数の子はそのような思考はしていない。半数の子は発言するできていない。これでよいはずがない。確かに発言をしなくても授業の最後に作文を書いて自分の考えをまとめている。これを見れば,どの子も思考しているといえる。しかし進んで発言したいのではないか。一部の子に発言の機会を奪われているのではないか。最近の発言の分布を見ているとそんな気がする。4月の討論ではもっと多くの子が発言していた。学力差が顕著になってきている証拠か。少し授業スタイルを変えてみよう。だいたい問いだけを考えながら読むというのもおかしな話だ。確かに問いを持ちながら読むというのは効果的な読み方の一つだろう。しかし気づきはいらないのか。感想はいらないのか。反論だけでよいのか。論破は創造性を育てる授業である。それは子供相互の軋轢が起きるからである。相互の軋轢から子供個人の自己葛藤が起きるからである。軋轢や葛藤が創造力を育てる。問いがあり,答えがある。今の子供達の問いは単純すぎる。自己解決できない価値ある問いを引き出させたい。そのためには物語の定型を問いにさせる必要はない。題名,登場人物,場面,事件などを分類させながら聞かせるか。これはまさに『国語学力マスターカード』に書いた読み方である。新たな「読解力マスターカード」を書いて実践する。研究授業3週間前を切ったにもかかわらず,授業展開が固まっていない。毎日,授業に修正を加えていこう。私の授業記録をこの日記で御覧戴いている方にぜひ,御批正を戴きたい。メールで御意見,御感想をお寄せ戴きたい。あと3週間で授業公開である。


26日(月)お話対話板書した。さんはい。お話対話。漢字だけど読める。今日は何を読もうかな。『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ さく・え,小川仁央 やく,評論社)ん,おもしろそう。読んで。絵本を開いて驚く顔をするだけで盛り上がる。導入で引き付ける技術の一つである。1ページを読んだ。本を閉じる。はい,死ぬと思ったのは誰ですか。あなぐまです。次のページを読んだ。いつもは3問くらいずつ進めるが,あまり挙手がなかったので次に進んだ。私は読み聞かせをする。1ページを読んで絵本を閉じる。はい,あなぐまは何を怖れていないのですか。はい,死ぬことです。あってます。死ぬことを怖れていないのです。先生問題を出した。「トンネルのむこうに」行くとはどういうことか。胃の中。蟻の巣。ほんと,おもしろいことを言う。暗いトンネル。だからあなぐまはどこへ行くの。天国。天国かどうかはわからないが,死ぬということを「トンネルのむこうに」行くといっている。死ぬを別の言い方をしているんだよ。また一ページを読み聞かせた。はい,誰と誰がかけっこをしていましたか。手を挙げられない子が多い。話を覚えていられないのか。はい,蛙と兎。違います。土竜と蛙ですか。そうです,正解は土竜と蛙です。先生問題を出した。今日は先生問題が多かったな。先生が話し過ぎたかもしれない。あなぐまはかけっこを見ていた。自分も走りたいよね。でも,走れない。それで幸せなの。見ているだけで。幸せだよ。板書した。自分もしたい。見ているだけで幸せだと思う人は〇。見ているだけで幸せなわけはないと思う人は×。板書した。幸せ。〇14人。×9人。×の人,どうぞ。○の人に反対です。見ているだけで幸せなわけはありません。〇の人は間違っています。はい,僕も〇の人に反対です。僕も走りたいからです。僕も反対です。見てるだけではつまらないからです。そうだよね,つまらないよね。では,〇の人どうぞ。りかちゃんに反対です。あなぐまは見ているだけで幸せです。だからりかちゃんの考えは変です。かるちゃんに反対です。見ているだけでは幸せではありません。風ちゃんに反対です。あなぐまは幸せだと言っているのだから幸せです。そんなはずありません。私はサッカーの試合を見ているだけでも楽しいです。だから自分ができなくても幸せだと思います。風ちゃんは野球の試合を見て楽しくないんですか。楽しくありません。このような発言が続いた。まだ発言していない子がいるので,発言してほしいなあ。なぜ幸せか。こう板書した。読んでいくと答えがわかるかもしれない。このように問いを持ちながら読むんだよ。先週の読書の時間,飛ばして読んでいる子がいたよ。そんな読み方をしていては,さっぱり頭にはいらない。続けて読み聞かせをした。「あなぐまは,すっかり自由になったと感じました。」死んだんだ。あやちゃんが言ったね。先生問題。あなぐまは何をしましたか。ごはんを食べた。そんなことより大事なことを聞き分ける。手紙を書いた。そうだ,手紙を書いた。何て書いたんだろうね。「長いトンネルのむこうに行くよさようなら あなぐまより」なぜ,雪が降ったのか。あなぐまが死んだからだ。すぐにとけるよ。そんなことないよ。次を読み聞かせた。「〜思い出を語り合いました。」題名は何だ。『わすれられないおくりもの』。何が忘れられないのか。あなぐまのこと。贈り物は何か。手紙。思い出。教えてもらったこと。教えてもらった何か。何だろうね。何かなと問いをもちながら読む。こうして最後まで読み聞かせた。贈り物は何か。『作文くん。』「おくりものはなにか。」と書き,自分の考えを書く。始め。最後に贈り物は「わざ」と板書した。今日も楽しかったね。なぜ幸せだったのか。これは教えないでおこう。3年生の教科書に載っている物語なので,3年生までのお楽しみにしておこう。/ 作文の授業 学びに2つある。何と何か。全く覚えていない。りちゃん,3+7は。このように先生から出される問いに学ぶ。もう一つは自分の問いでの学びだ。全員起立。生協で調べたい問いを3つ決めたら来る。こうして自分の問いを目もさせた。わからない子は先生が作った問いをまねしてもよい。問いのことを疑問という。疑問作文を書く。『作文くん』。みんなの作文に問題がある。こういう作文を書いている。一つ目は何々です。二つ目は何々です。どこが問題か。スピーチのときに教えた。1文しかないことです。そう,1文ずつなので,2,3文ずつにする。1つ目は魚の値段です。魚の値段はいくらかを調べます。このように,せめて2文にする。では,始めるよ。「疑問作文を書きます。私の疑問は3つです。一つ目は」と書けばよい。4分間で6行(『作文くん』は6行で90文字。)書けたらよい。始め。遅い子は2行くらいしか書けなかった。全員起立。柳谷先生に訊きたいことを3つ決めて座る。4分間で6行書く。とにかく速く書くことが今のみんなにとっては重要だ。間違っても気にしない。消しゴムを使わない。用意,始め。さすがに2回目は,ほとんどの子が6行書けた。でも書くのが遅い子はかなり遅い。下校前にも作文を書かせた。「たいなあ」作文を書く。行きたいなあ,食べたいなあ,したいなあと思うことを書く。何でもよい。とにかく速く書くことをさっさと身に付ける。用意,始め。5分間で400字詰め原稿用紙4行の子2人,他の子は5行を超えた。話ができないのは話にならない。書くのが遅いのも話にならない。書く速度が身に付いてから,内容をよくすればよい。/ 日記や視写をを書くように金曜日に言った。15人くらいの子が書いてきた。先生,たくさん書いたよ。おりちゃんがにこにこして教えてくれた。


25日(日) 『鍛える国語教室シリーズ13 作文力を伸ばす、鍛える[増補版]』明治図書,2005年9月刊の書評 『教育科学・国語教育』2006年1月号の原稿である。書き上げるまでに3日間かかった。以前にも拝読した書ではあるが,かなりじっくりと再読させて戴いた。体調もすぐれないので,だらだらと拝読していた。書評には書かなかったが,共感することばかりだった。作品を赤で直さない。全く同感である。せっかく子供が書いた作品に赤を入れるなどとんでもない話である。私が子供の頃,このような指導をされたのだろう。赤で直すことに対して,かなりの嫌悪感がある。野口先生の書に縁してからなのかわからないが,私は保護者に完成した作品にとやかく言わないことを10年くらい前から伝えてきた。作品に取り掛かる前まではとやかく言う。しかし作品として完成したものにはとやかく言わない。せっかく完成させたのに,とやかく言ってはかわいそうだからである。作文も絵もそうしてきた。だから保護者も完成した作品はほめて戴きたい。拙さは私の指導不足である。このようにお願いしてきた。だからこそ野口先生の指導法に共感を覚える。今回じっくり拝読した学びは言語技術がちりばめられていたことである。授業技術,言語技術が記されている。珠玉の数々だった。このような執筆機会のお蔭で,じっくりと拝読することができた。江部満編集長に感謝するばかりである。これから取り掛かる作文ワークのヒントがたくさんあった。明日からの実践の活力を得ることができた。多くの方に読んで戴きたい大著である。


25日(日) 10月6日発刊 明治図書のHPを見ると,拙著の発送予定が入っていた。10月6日である。野口先生の古稀記念研究大会が8日なので,丁度間に合った。このような日程で仕上がったのも江部編集長のお蔭である。心から感謝したい。8日に千葉で新刊と出合うことができる。何とも嬉しいことである。千葉へ行く楽しみが更に増えた。/ 連休で野口先生の書を熟読した。新刊『作文力を伸ばす・鍛える』である。『教育科学・国語教育』1月号に書かせて戴く書評のためである。『作文で鍛える(上)(下)』で拝読していた部分が多い。しかし,改めて熟読してみるとじっくり読んでいなかったことに反省させられる。野口先生の作文指導での新たな気づきを書き,評価させて戴く。机を離す。手本を使う。自らを書く。楽しい教材が多く紹介されている。しかしそれだけではなく,野口先生の作文指導に対するお考えを学ぶことができる。今日,書き上げる。/ 『鍛える国語教室』秋号の仕事を開始する。その前に夏号の書類整理から始めなくては。書斎が本で埋もれている。/ 教育実習生の研究授業が金曜日に終了した。皆,よくやっていた。検討会では問題点だけを指摘した。それにもめげずに応答していた。こうして少しずつ逞しくなっていく。自らを常に高めていく教師でありたい。実習生の授業に多い問題点は次のようなものだ。始業,終業時間を守らない。子供のつぶやきを無視する。活動に入る際の指示が足りない。机間巡視の目的があいまい。教材研究が足りない。教材研究不足は一人で授業をつくっているわけではないので我々にも問題がある。それにしても本を読んでいないこととコミュニケーション不足が気になる。大学で授業方法をほとんど学んでいないことに一番の問題がある。授業検討会では他の先生方にほめられていた。よくがんばった。


23(金) 絵画コンクールでの初入賞! 私は小学生のころから絵が苦手である。何年生の頃か忘れたが,友達の顔を描いていた。私は目に拘っていた。相手の子のまつげを一本一本描いていた。そのとき,事件が起きた。机間巡視をされていた担任の先生にこう言われた。「まつげが見えるの。」この一言で私の努力が否定された。見えるから描いている。しかも一本一本丁寧に描いている。ほめてくれたってよいではないか。それを否定するとは。それ以来絵を描く自信がなくなった。自信がないのだから取り組みたいという意欲も起きない。こんな些細な事件で絵を描きたくなるなる子供もどうかと思う。実に精神的に弱い子だったのだろう。こうして私は絵を描かなくなった。そんな私だが,小学校教師になってからは絵の指導をしている。唯一指導できるのは写す絵である。中学生の頃に描いた手の絵はやや満足できるものだった。動かないものを写すのは何度か描いていると何とかできるようになった。そこで授業では静物をよく描かせていた。6年位前か。大谷和明先生との出合いのおかげで酒井式と出合った。特に学んだのは絵の具の使い方である。3本の筆で描いていく。驚いた。色作り方にも驚いた。主調色から色をつくる。こうして少しずつ酒井先生に学んだことを実践できるようになってきた。3年前,初めて1年生を担任した。お母さんの顔,友達の顔,静物画,牛の絵などを描かせた。静物画を酒井先生に見て戴いた。これは酒井式ではないとはっきり言われた。お話がないからである。酒井式では子供が個々に持っているお話,想像を絵にするというようなことを仰られたように記憶する。低学年の写生会では,たっぷりと対象と遊ばせる。そして教室に戻ってから,遊んだときのことを思い出して描かせるというのだ。見て描かない。私はどうしても見て描かせないと不安だった。だからなかなか酒井式で実践することができないでいた。今年度の1年生で馬の絵を描くことになった。絵の具の彩色指導は5月に友達の絵で経験させている。そこでコンクールに出すことになった馬の絵を描かせることにした。ばんえい競馬場の企画である。馬と遊ばせてくれる。そして馬の絵のコンクールをするという企画である。私は馬を触ったり,馬に乗ったりさせる経験をさせて戴いてから,学校へ戻って絵を描かせた。2005年2月の酒井塾で酒井先生から学んだ『スーホの白い馬』のときの方法で取り組んだ。『ソープル』にあるテープ起こしを何度も何度も行き帰りのバスで読んだ。そして馬の部分の写真を撮ってきて,それをもとに描かせた。体を描く。まっすぐにならない。こっちでも,こっちでもいいよ。頭を描く。顔を描く。耳を掻く。足を描く。尾を描く。たてがみを描く。そして馬に乗っている自分を描く。かなり我流である。しかし部分部分をきちんと描かせていった。同じ絵にならないように,こっちでも,こっちでもよいといういくつかの描き方を考えさせた。もちろん私の板書を消してから描かせた。自分の頭の中に物語をつくらせた。こう描いたらふつうの馬。こう描いたらおもしろい馬。こんなことを言いながら,いくつも科の板書を描いて見せた。こうして1年生74名(1名欠席)全員に馬の絵を描かせた。図工は学年全体を一斉に指導させてもらっている。コンクールの締切りまでに時間が少なかった。だからたぶん5時間くらいで描かせたと思う。何とかコンクールに送ったのが7月中旬だった。入賞者の知らせが昨日学校へ届いた。1年生は銀賞1名,銅賞7名だった。岩見沢市内の図工の先生方が作品を審査されたらしい。「1年生で応募した学校が少なかったから。」こう審査をされた先生は仰った。あの忙しい時期に水彩画を出すこと自体,大変なことだった。私の描画指導で初めてのことである。しかし賞などはどうでもよいことである。入賞した子達を含め,この子達の多くは絵を好きになってくれることが嬉しい。子供の絵が多くの方にほめられる。入賞した子は一生の大切な思い出となるだろう。私の拙い指導で絵を好きになってくれる子が一人でもいるということが嬉しい。酒井先生に出合っていなければ,私の教え子が絵のコンクールで入賞するなど有り得なかった。絵画コンクールで入賞を得るなど考えもしなかった。子供が絵が好きだと言ってくれるような指導ができるはずがなかった。酒井臣吾先生のお蔭である。


20(火) 『おおきな かぶ』2時間目 「大きな蕪」こう板書した。子供達は大きな蕪と読んだ。「@何のお話ですか。」板書した。先生が黒板に書いているうちにノートに書く。先生が書き終わったら終わり。話を聞く。休み明けは返事がない。□□を横にかく。問題と答えをノートに書いて持ってくる。2分間。ほとんどの子が書いた。「Aねこは誰をひっぱったか。」誰を空書きする。空書き誰,いち,に,さん,し,ご,ろおく,しち。ここまではよい。この次から難しい。筆順を入れながら板書した。はち,きゅう,じゅう,じゅういち,じゅうに,じゅうさん,じゅうし,じゅうご。(保護者の皆様でも間違っていらっしゃる方は多い漢字です。)先生が黒板に書いているうちに,どんどん書く。□□。問題と答えをノートに書いて持って来る。書けない子が数名いた。「Bねこは誰にひっぱられていたか。□□□。」板書した。問題と答えをノートに書いて持って来る。書けない子がいた。書けない子に答えを発表させる。起立。「ねこは誰に」なのでねこの前か後ろか。こう尋ねて答えさせた。言ったことをノートに書いて持っておいで。これに時間がかかった。5分かけたが,全員きちんと書けなかった。早く終わった子は暗唱していなさい。これで一時間目が終わった。一時間目の始めにスピーチをさせているので35分間で授業を終えた。/ 作文マスターカードの使い方 スーパー作文マスターカードを書いてきた。ほしいの。ほしい。場面を指で指す。そこをラベル欄といった。その下を何と言った。ブランチ欄。そう,場面の下のブランチ欄を読む。9月9日金曜日。しゅう先生。次のラベル欄を読む。言ったこと。ブランチ欄を読む。すとう,じぇんず,ぶう。次のラベル欄。考え。自分の考え。ブランチ欄。何のことだ。しゅう先生に中国語を教えて戴いた。「すとう,じぇんず,ぶう」と聞いた。何のことだろうと考えた。このようなメモを書くと作文を簡単に書くことができる。作文の例を音読する,さんはい。しゅうせんせいに……。ただし君,読んで御覧。3人が拾い読みをしていた。他の子はきちんと読んでいた。視写する。1分間で2行に行ったら速い。用意,始め。終了。1行の子が10人くらいいた。2回目,また「しゅう先生が」から始める。用意,始め。やめ。1行だった子。3名だった。3回目,用意,始め。やめ。1行だった子。5名に増えた。このように1分間視写を何度も繰り返してさせると速くなる。裏。今日は柳谷先生が言ったことを引用して書く。1つ目のラベルは。場面。何を書く。9月20日(火),柳谷先生。次のラベル。言ったこと。おとしだまはいらない。次のラベル。考え。自分の考えを書く。賛成か,反対か。お年玉がいらない子は賛成。いる子は反対。なぜならと書いていく。メモを写してよい。さらに付けたしてもよい。3分間にする。用意,始め。3分間終了。3行書いていない子。いない。では3行の子。これは10人くらいいた。あと2分間で5行を目指す。用意,始め。こうして5分間だけで『引用作文』を書かせた。7行も書けた。楽しかったという感想が多かった。このような作文教材は有効だと思う。1組も3組もできたようだ。/ 算数 市販テストの平均点が85点だった。よくなかったね。昨日からたし算,ひき算に入った。復習しないと忘れる。特に点数がよくなかった子は家でも問題をしよう。


19(月) イベント準備 今日は朝朝からイベントの準備をしていた。朝からと言うより,昨夜からと言った方が正しい。土曜日は何も仕事をしないで休んでいた。最近,土曜日は働けない。一週間の疲労が蓄積している。野口先生のお忙しさと比較するとそんなことも言っていられないだろうが。昨日は少し仕事をした。そして今日はイベント関連の仕事をかなり終えた。イベント関連の仕事をしていると,わたしはイベントに向いていないことがよくわかる。しかし野口先生のとの学びの機会である。楽しんで準備を進めよう。国語修業講のHPをUPした。お子様は参加無料である。酒井塾とあわせて,是非お子様と御一緒に御参加戴きたい。空知大会の内容もほぼ決まった。あとはパネリストをもう少し増やしたい。依頼状を作成して,少し打診してみよう。明治図書の研究会情報にも登録した。野口先生にも詳細をお願いする。今日はあと,お礼状を書き,夏号の整理をしておこう。部屋の本の整理にも手を付けたいものである。『教育科学・国語教育』1月号の原稿にも手を付けておこう。そうそう,昨日はこのHPをかなり修正した。ますますわかりづらくなってきた。


9月18日(日) 第9回空知ゼミ例会のお礼 今回も多くの方に御参加戴きました。心から感謝申し上げます。概要は以下の通りでした。□柳谷直明の聴写の授業 新しく発売される『国語学力マスターカード』を使った聴写の授業。書く速度が速くなると聴写ができるようになる。1年生には聴写は難しいが,参加していた1年生はできていた。□矢田広和先生の俳句の授業 「春の雲ゆっくり動く気持ちいい」の「気持ちいい」の下五字を作らせる指導だった。忙しい中の授業開発に頭が下がる。参加された皆さんも楽しまれていた。なかなかおもしろい下五字を皆さん考えていた。□柳谷直明の俳句の授業 矢田先生の教材で授業せよと大谷先生から課題が出された。自分の次の授業のことを考えながら授業を受けていた。こういう姿勢がよくない。授業を受けながら問題点を考えて代案を作っていなくてはいけない。いつもそう心掛けているが,そうしていなかった。季語の問題点を指摘しようと考えて討論させた。「春の雲」が季語か。この問題で討論させた。私の解は季語ではない。季語が季節を表す言葉ならば「春」だけでいいだろう。「『春』だけだと5文字にならないから。」こういう誤解をしている子もいた。角川春樹氏が言う。(角川春樹編『現代俳句歳時記 新年』角川春樹事務所,1997年,3ページ)「俳句にいのちを与えてくれるのは、季語である。季語こそ、普遍的ないのちであり、たましいであり、個性そのものである。私は季語こそ、俳句の魅力を支える最大の要因であろうと考えている。俳句作品の出来、不出来の七〇パーセントは、季語の用い方に負うといっても言い過ぎではないだろう。」ここまで言い切ってよいのかどうかわからない。しかし,重要であることに違いない。広辞苑第五版には約3500の季語が掲載されている。「春の」では次の14の季語が載っていた。「春の色,春の海,春の限り,春の暮,春の月,春の鳥,春の野,春の日,春の星,春の水,春の湊,春の山,春の雪,春の夜」である。「春の雲」はなかった。広辞苑にないから季語ではないということにはならないだろう。しかし,他にいくつかの本で調べたが「春の雲」はなかった。やはり「春」でよいだろう。私の授業は大谷和明先生の介入で終了した。ここまではっきりとした結論を持っていなかったので討論が冗長になったからである。□大谷和明先生の俳句の授業 この人はいつ,どこで,何をしているのかというお話を作る。「この人は春に病院で手術をしている。」(1年生の子である。)「この人は春,野原でのんびりしていて雲を見ている。」お話に合った言葉を使うと俳句ができる。5文字選んでごらん。「春の雲ゆっくり動く腕時計」(冨樫先生作)例えばこのような俳句がある。「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」この俳句がなぜ有名なのか。人間には5つの感覚がある。五感という。見る−視覚,聞く-聴覚,味ー味覚,においー嗅覚,てざわり−触覚だ。この句にはいくつの人間の感覚を使っているか。視覚,聴覚,味覚,嗅覚,触覚の全てが出てくる。柿を食べているとき,遠くから法隆寺の鐘が聞こえてくる。いい句だね。韻文から散文にして,その中の語句を韻文に用いる。韻文の読解や創作に使える技術を具体的に学ぶことができた。□冨樫忠浩先生の読点の授業 「はなこさんにせんえんはらって。」このような文を提示して動作化で説明させた。意外に子供は読点の問題に気付かなかった。楽しい授業だった。話し方もゆったりしていて聞きやすい。欲を言えば,読点の原則を指導してほしい。いくつかの参考文献はあるだろうが,特に次の書を薦める。本多勝一『わかりやすい文章のために』(すずさわ書店,1981年)である。□柳谷直明の作文の授業 作文マスターカードを開発した。今回は『引用作文マスターカード』である。音読,視写,取材メモ,実作までを行った。最後の実作を3分間だけで書かせた。全員が3行以上を書いた。隣の人と発表させて終えた。楽しかったかどうかわからないが,全員に書く技術を指導した。3分間で3行書ければ低学年として適正な速度である。高学年ならば3分間で6行くらい書かせたい。中学年はその間なので3分間で5行に入ればよいだろう。今後,新作作文ワークをどんどん開発して皆さんに差し上げたい。時間がなくなったので大谷和明先生の授業は次回のお楽しみとなった。


15日(木) ビッグ・ニュース! 昨夜,野口芳宏先生からお電話を頂戴しました。2006年3月4日(土)に開催される日本言語技術教育学会第15回大阪大会で模擬授業をとのお話でした。もちろん有難く即諾させて戴きました。今後正式に決定するようです。全国の一級の先生方の前での授業など,想像もできません。全く自信がありません。しかし貴重な機会なので有難く学ばせて戴きます。「そう,断らない方がいいよ。」と野口先生も最後に仰られていました。日本言語技術教育学会は私を野口先生とつないでくれました。1997年3月,第6回大会で野口先生と初めてお話をさせて戴きました。1995年3月,第4回大会に初めて出席して以来,3度目の大会での出来事でした。野口先生に憧れ,野口先生の書を少し読ませて戴いていたので,忘れられない出合いの場となりました。その学会で模擬授業をするなど,夢のようなお話です。野口先生を始め,日本言語技術教育学会に関わる多くの皆様に学ばせて戴いたお礼を込め,全力で授業に臨みます。皆様,第15回大会へ出席されませんか。お待ちしております。


11日(日) 酒井塾のお礼 苫小牧の酒井塾に御参加戴いた皆様,心からお礼を申し上げます。久し振りにお会いする方が多く,懐かしく思いました。多くの人との出合いで元気を戴けると改めて実感しました。これからも酒井塾をよろしくお願いします。/ 『鍛える国語教室』(6)2005年夏号は残り20部となりました。千葉の古稀記念研究大会へも持参したいので,残りわずかです。御関心をお持ちの方は早目にお申し込みください。お待ちしております。/何度見ても『確かな国語学力(基礎・基本)を育てるマスターカード』の表紙は美しいです。江部満編集長を始めとする明治図書の皆様,友人社で校正を御担当戴いた皆様,表紙やイラストを御担当戴いた皆様,印刷所の皆様,販売戴く皆様,御執筆戴いた皆様,野口芳宏先生を始めとする研究仲間の皆様,これまでの教え子とその保護者の皆様,同僚の皆様,私の家族,お世話になった全ての皆様,これからお世話になる全ての皆様に大きな声でお礼を申し上げます。有難うございます。今後も努力を重ねます。


10日(土) 中国語の学習 金曜日,教育実習生に中国語を指導して戴いた。中国語での挨拶,「ニイハオ。」をみんなで言った。中国のじゃんけんとゲームを指導して戴いた。紙に4つのブロックを書く。じゃんけんに一度勝つと一画ずつ書いていく。今回は1年生なので「一,二,三,四」を書かせた。中国では新しく漢字を習うと,子供達はこのゲームで遊ぶそうだ。「スゥトゥ,ジェンズ,ブゥ」こう言ってから隠していたグー,チョキ,パーを後ろから出し合う。画数の多い漢字になると,かなり時間がかかるだろう。子供達の感想を100字以内(400字詰め原稿用紙5行)で書かせた。速い子は1分40秒,遅い子は10分かかった。


9日(金) 『確かな国語学力(基礎・基本)を育てるマスターカード』の広告掲載! 明治図書HPの近日刊行案内に『確かな国語学力(基礎・基本)を育てるマスターカード』が本日掲載されました。毎日近日刊行案内を見ていました。今日,表紙を初めて拝見しました。美しい体裁です。タイトルも工夫されていて実に有難いです。『国語学力マスターカード』でよいなと思ったのは最近で,すでに遅いので何も申し上げていませんでした。表紙ではその他の文字は小さくなり,「国語学力マスターカード」のように見えます。私の考えていた以上の見やすさです。早く手にしてみたいです。江部満編集長,野口芳宏先生,お世話になった皆様の大恩で出版に至ることができました。多くの小学生に使って戴けることを心からを願います。皆様,有難うございました。明治図書近刊(国語)案内


8日(木) 『鍛える国語教室』夏号発送 お申し込み戴いている皆様,ようやく発送準備ができました。現在お申し込みいただいてる皆様,御執筆戴いた皆様,お世話になっている皆様へは明日,間違いなく郵送致します。再度,お申し込み戴き,有難うございました。あと40部になりました。早目のお申し込みをお待ちしております。是非次号では,皆様の御実践をお待ちしております。夏号に書いた私の実践を参考にして戴き,御執筆戴けますと嬉しいです。「子供が熱中し,国語学力(学習用語)を形成する授業実践の開発をお待ちしております。お問い合わせ戴ければ,見本を差し上げます。子供の役に立つ楽しい国語科にして参りましょう。お待ちしております。御執筆戴いてる皆様,心から感謝申し上げます。/今日は台風で休校。教員は出勤して仕事する。教育実習生に模擬授業をさせた。1人3分くらいの導入を指導した。楽しい導入,引き付ける導入,おやっと思わせる導入を工夫してもらいたい。教師の範読をただ聞かせる授業はやめて貰いたい。全くおもしろみに欠ける。範読という用語をわからない実習生も何人かいた。教育大学の指導に問題がある。


7日(水) 夏号発送開始 鍛える国語教室研究会・空知ゼミの機関紙『鍛える国語教室』(bU)2005年夏号が完成した。ファミリー印刷の社長がわざわざ自宅まで届けてくださった。(製本するならファミリー印刷が安くて丁寧だ。由仁町のファミリー印刷を是非,御利用戴きたい。)今回は橙色にした。明日,発送準備をして,明後日発送する。明日は雨で濡れる恐れがある。200ページの冊子である。コンテンツを御覧戴き,関心をお持ちの方はお申し込み戴きたい。詳細は『鍛える国語教室』編集室を御覧戴きたい。/ 昨日の1時間で読書感想文の取材メモを書かせた。今日の2時間で読書感想文を書かせた。メモに書いたことを原稿用紙写す。メモに書いたことだけだと少ない。だから,更に付け足す。まず,会話文のようにかぎを書いて,引用のところに書いた文を写す。こうして一番気に入った文を2〜3文だけ引用させた。会話文を引用している子がいた。会話文を書いている子。数名いた。会話文を引用するときは,かぎの次に二重かぎを書く。最初のかぎは引用のかぎ。次の二重かぎは会話文のかぎ。かぎの中にかぎを書くときは二重かぎにする。ややこしいね。会話文でつながるときは1ます空けない。会話文でないときでつながるときは一ます空けない。改行段落は一ます空ける。この3つの違いがわからないで困っている子が半分くらいいる。文章を書き慣れるまでには時間がかかる。野口芳宏先生は書くことで一番国語学力が明らかになると仰る。君達はよく話ができるようになった。読むことも育っている。1年生の残りの時間で書くことを特に育てたい。それだけ書くことは伸ばすのに時間がかかる。毎日家でも少しずつ書くとよい。さん君は先生に日記を書いて見せてくれている。一日一ページくらいを書いている。これは国語学力が伸びる。引用の次は何を書くんですか。取材メモに書いたように書く。問いと答え。ただし「問いと答え」とは書かなくてよい。「問いと答え」のラベル欄の下に自分で書いた文を書く。次は作者名と著者名を書く。このほんはーーさんが書いた『 』です。書名は二重かぎにする。次は粗筋を書く。誰がどうしたお話です。誰が出てきます。どんなことをします。どうなりました。こんなことを書いて,その本を読んだことがない人にもわかるように書く。ただし長すぎると本を全部写すことになる。それだと長いので,粗筋も2〜3文にする。次に感想を書く。善いか悪いか。おもしろいかおもしろくないか。なぜなら〜だからです。〜を学びました。もしわたしだったら〜をします。なぜなら〜だからです。どうして〜をしたのですか。わたしは〜をしません。このほんのいいたいことは〜だと思います。なぜなら〜だからです。わたしは〜がへんだとおもいます。なぜなら〜だからです。このような例を黒板に書いた。消しゴムばっかり使っている子がいるので,消しゴムを使うかどうかも質問させた。直した方がよいと先生も思ったところは消しゴムを使わせた。そう言ったのに,先生に質問をしないでじゃかじゃかと消している子がいた。先生の話を聴いていない。このようにして2時間書かせた。今日完成させたいんだけど,残って原稿用紙2枚を書き上げる自信がある子。3人が手を挙げた。後から1人手を挙げた。あとは自信がないの。よし,では4人は残って書いていく。りゅうくんとあやちゃんとかるちゃんとじゅんきくんだ。先生は来週の予定をきめる学年会議があったので,教室で4人で書かせた。2時間くらい書いていた。児童館へ行く子だったので児童館に連絡した。よく読むと問題点はある。同じ文が繰り返されている。引用した所とその後の内容がずれている。誤字・脱字がある。文字が雑。一番言いたい主題文がわからない。このようなことを直すと更によくなる。しかしよく原稿用紙2枚も書いた。先生がこう書きなさいと教えなくて,黒板に書いた例をもとに書いた。よくがんばった。1年生の9月で原稿用紙2枚を書けること自体が驚きだ。他の子も,毎日少しずつで家庭学習で書くと上手になるよ。今日と明日書く時間があるから,がんばって1枚くらいは書こう。2枚書いた子は,更に書き直してみよう。先生は毎日日記を書いている。書くと今日のことを思い出せるので楽しいよ。そして思い出を大切に残すことができる。日記は先生の宝物の一つだ。/浮かぶおもちゃを作らせた。えりちゃんはおおきなロボットを作った。みんな驚いていた。楽しい工作だったね。昨日も楽しかったね。


6日(火) 読書感想文指導 長い文章を書くときにはメモを書くと書きやすい。そこでメモを書く「マスターカード」を配る。名前を書いているあやちゃん,偉い。先生,日付も書くんですか。そう,何年から書く。何年か。17年。9月6日。名前の下にこう書いてある。板書,「取材メモ」。読めるか。歩ちゃんが夏休みに競馬場で何をしてきたか。取材。取材メモだ。そう,取材メモ。書くことを集めることを取材という。このラベル欄に何とかいてあるか。書名,著者名。書名とは本の名前。昨日決めた本の名前を書く。万ってどう書くんですか。漢字も写した方がよい。板書「万」。板書「回」。著者名とは何か。本を書いた人の名前だ。今書いた書名の下に著者名を書く。全員起立。この本を読んで一番よいところを決めたら座って写す。2〜3文で決める。一文でもよい。一番おもしろかったところ,一番悲しかったところでもよい。次のラベルは問答。今写したところから問いを作る。みんなに問題を出すように書く。なぜですか。何をしましたか。その答えも問いの下に書く。感想を書く。おもしろかった。なぜなら〜。悲しかった。なぜなら〜。なぜならを書いて,詳しくする。粗筋のラベル欄にはどんなお話かを書く。みんなが持っている本を一度も読んだことがない人にもわかるように簡単に粗筋を書く。学び,主題文などもこうしてメモせた。


4日(日) 次の企画 昨日は病院へ行ったり本屋へ行ったりで仕事をしなかった。今日は仕事をする。全道国語教育研究会の指導案を完成させる。ほとんどできているので,すぐに終わるだろう。夏号のお礼文書,秋号の企画書など空知ゼミの仕事をする。これも2時間くらいで終わるだろう。秋号のコンテンツを作る。新しい仕事の企画段階が一番楽しい。編集段階が一番辛い。その辛さに耐えると,完成という喜びが待っている。企画段階は一番楽しい時間である。修業講,空知大会の企画書を完成させる。今月中にチラシを配付する。全道研でもチラシを配る。これも2時間くらいかかるだろう。まだ時間がありそうなので,国語教育1月号の下書きを書こう。野口芳宏先生の書評である。私が野口先生の書評するなど,とんでもない気もするが挑戦する。現場人の目での批評を書かせて戴く。あとは「マスターカード」や夏号のために散らかしている本をいったん書架に納める。これは2時間で終わらないかもしれない。(^_^)v 大きな仕事が終わり,次の仕事の助走の時間は精神的に楽だ。頭が休まる。


3日(土) 空知ゼミの仕事をした。次回の例会案内を作成した。空知ゼミの活動を更に大きくしていくには,毎回各学校へ案内を出した方がよいか。一緒に学びたいという意欲ある教師を求めたい。コンテクストを考える。庭で焼肉をした。秋刀魚を焼くと炭に火がついた。楽しい夜だった。ほとんど仕事らしい仕事をしない一日を過ごした。明日は働こう。


2日(金) 夏休みの思い出作文 2時間で大体の子が完成した。まだの子は来週の朝に書かせる。夏休みの思い出を3つ書きます。これが書き出しだ。改行段落一ます空ける。一つ目は〜。一つ目は,二つ目は,三つ目はで改行段落にする。改行段落がかなり身に付いた。例えば改行段落は学習用語である。改行段落を一年生に指導する。使えたかどうかを評価する。多くの子は一度の指導で使えない。だから次の作文,次の作文と指導を繰り返す。全員が1時間で身に付くような指導法を開発するとよいのだろうが,今の私にはできない。平仮名指導が終わった7月から改行段落を使った作文を指導した。9月に入ったばかりの昨日でほとんどの子に身に付いてるのならばよいだろう。できるだけ少ない時数で身に付けた方がよい。しかし無理せずに,数時間で身に付ければよい。1年生の9月の時点でほとんどの子が改行段落を身に付けている学級は少ないだろう。無理なく,しかも確実に育てている。速く終わった子は絵を描いていた。野口芳宏先生が開発された『作文くん』(新学社)には絵が描ける。一番速い子は友達への手紙を書いて,それも完成させた。/空知ゼミ学習会のお礼 2学期始めの学習会を行った。マラソン大会があったにもかかわらず,参加してくれた小学生はすごい。柳谷直明の他己紹介スピーチ。隣の子とじゃんけんする。勝った子から自己紹介をする。自己紹介を聴いた子がこの子の名前は〜です。とみんなに紹介する。他の子を紹介するので他己紹介と呼ぶ。自己紹介始め。終わったら交替する。全員起立。先生とじゃんけんする。じゃんけんで負けた子がスピーチをする。4人に他己紹介のスピーチをさせた。10分で終えた。評価は余りよくなかった。1年生は1を付けた。どうして。いつもやってるもん。確かに1年2組はスピーチでは喜ばないな。角銅隆先生の音読指導 「おーい、こっちだよ」(『話す・聞くスキル 3』正進社)を使った授業。言うまでもなく教材は優れている。楽しい教材だ。それをどう授業するかも重要なスキルだ。グループごとに一つずつ。一人一つずつ。書かれていない読み方を一つずつ。書かれていない読み方は角銅先生が開発されていた。角銅先生の話術で盛り上がった。最後まで言わない子が一人いた。次はやろうね。このような言葉をさりげなくかけて終えた。評価はほとんどが5だった。土谷先生の詩の授業 小泉周二『空気と勇気』 文字が隠された詩が提示された。何が入るか考える。酸素と二酸化炭素,元気,勇気などが発言された。先生が正解を入れて読んだ。ほとんどの人が5だった。角銅先生が指導されている実習生である。初めての授業だった言う。驚いた。あえて難を言えば次の2つである。動きすぎること。解の提示の間の具合。少し間延びしたような気がした。それにしても堂々とした授業だった。柳谷直明の論破の授業 佐野洋子『おぼえていろよ おおきな木』を何も言わず読み聞かせた。「いつまでも なきつづけました。」(同,40ページ)ここまで読み聞かせた。なぜ,泣いたのか。木を切ったからです。だって要らないから切ったんでしょう。なぜ泣くの。おじさんは,木がきらいだったからです。そうだよね,嫌いだから切ったんだよね。その通りだと思う人は○。そんなことないよと思う人は×。決めてない人。○,13人。×12人。では×の人発言してよいいよ。○の人に反対です。なぜなら,嫌いだったら泣かないはずです。○の人に反対意見を言います。おじさんは木が嫌いだったんじゃなくて,虫とか鳥の糞がいやだったんです。だから木を切ったんです。○の人に反対です。おじさんは木が嫌いだったのではありません。虫や子供達が嫌いだったんです。では○の人,反対意見を言っていいよ。×の人は変です。なぜなら,木が嫌いだから切ったんです。〇〇さんに反対です。木が嫌いではなく,虫や鳥の糞が嫌いだったんです。〇〇さんに反対です。切ったんだから嫌いだったんです。○の人,反対はないの。反対がなければ,○の負けだね。あんまり考えないで手を挙げた。はい,×の人に反対です。おじさんは木を切った時点では嫌いだったんです。でも,後から変わったのです。〇〇先生に反対です。それは変です。木が嫌いなら泣きません。虫や子供が嫌いだったのです。×に反対です。「おぼえていろよ」と題名にあります。これは嫌いだということです。そろそろ時間なので,最後の意見を聞きましょう。これだけ聴いても自分の考えを変えないという頑固な人もよいでしょう。意見を変える人も考えた証拠です。意見をころころ変えるのも困りますが。では今でも○の人。6人。×が多くなったね。このあと最後まで読み聞かせた。楽しかったという評価が多かった。楽しくなかったという子も4人いた。柳谷直明の場面指導。場面を決めて,それで行うゲーム。楽しかったという子が多かった。しかしもっと改良しなくてはいけないと反省した。初めて使った教材だった。学級では班ごとにカードを分類させて短文作りをさせると短時間で面白くできる。柳谷直明の作文メモの指導 今回も作文ではなくスピーチに逃げた。作文を書かせると時間がかかるので,スピーチという形で口頭作文にして終えた。音声言語の模擬授業はもうしなくてよい。次回は作文の授業をすると反省した。『プランくん』に作文メモを書かせた。来年の夏,行ってみたい所をラベル欄に書く。それだけを〇〇〇ちゃんに発表させた。来年の夏休みに行きたい所を3つ発表します。一つ目はディズニーランドです。二つ目はフランスです。三つ目はアメリカのニューヨークです。これで来年の夏休みに行きたい所の発表を終わります。これだけだと短いでしょう。だからブランチ欄に何をするかを書く。そこで何をするか。3つとも書く。1つだけ詳しくするのではなく,3つとも詳しくする。できた人数名に前で発表してもらった。1分くらいのスピーチとして発表させた。今日はメモからスピーチにしました。このように作文も書けます。次回は実際に作文を書きましょう。こうして終えた。その後,先生方5人で寿司屋へ行った。10時くらいまで歓談した。楽しい一日だった。御参加戴いた皆様に,感謝致します。次回もお待ちしております。今後の日程 9/16,9/30,10/21,11/4,11/18,12/2,12/16,冬休みの一日です。冬休みの一日は午前2時間,午後2時間の予定です。後日詳しくお知らせします。2月にはビッグイベントもあります。楽しみにしていてください。


1日(水) 書写指導 書写教科書はよくできている。たく君は家庭で鉛筆なぞりをしてきた。よろしい。書写教科書の鉛筆なぞりはどんどんしてよい。(書写教科書を忘れた子が数名いた。)しかし書写教科書や書写ワークこそ,もっと文字を書かせるべきだ。漢字を何十回も書かせる必要は全くない。そんな指導を私はしない。しかし平仮名や片仮名は何十回も書かせた方がよい。更に似ている文字で書かせる方がよい。いつか私も書写教科書を書きたいと思っている。現在の構成要素で文字を配列するのではなく,類型で配列する教科書にしたい。ソンシツヒメコサン,モーツァルト,エジソン,シュバイツァーなどを教材にする。つまり単語を使って指導する書写ワークにする。久し振りに『五色百人一首』で盛り上がった。/ 教科書58ページを開く。会話文を音読する。さんはい。「おむすび,おむすび,どこへいく。」ノートに書いて持っておいで。速く書けた子は班のできていない子を手伝う。全員が終わるまで20分間かかった。途中で他の指導をした方がよいだろうが,できるまで待った。次の文も視写して持っておいで。今度は10分くらいでできた。教科書の穴抜きを埋めて持っておいで。これで1時間が終わった。会話文でつながるときは一ます空ける。これがややこしい。