2005.10.1UP

31日(月) 第109回全国大学国語教育学会での学び 実に楽しい一日だった。29日,学習発表会終了後、思い荷物を抱えて駅へ向かった。あまりにも重くて,途中で歩くのを断念してタクシーに載った。そのまま千歳空港へ向う。岩見沢駅から2時間くらいかかる。久し振りに,明るい時間に飛行機に乗る。いつもは夜である。出発時間が遅れた。帰りの飛行機の出発時間も遅れた。全日空はよく遅れるのか。(そのかわり帰りは1時間半くらいで着いた。)2時間くらいで中部国際空港に着いた。名鉄で岐阜へ8時頃着く。12時半に勤務稿を出てから7時間以上かかった。9時に打合せなので,その前に風呂へ入る。9時少し前に打ち合わせ場所へ行く。すでに皆さんいらっしゃっていた。そこで難波先生,成田先生,大島先生とお会いした。私の帰りの方法まで,すぐに調べてくださるような先生方である。その後近くで食事をした。確か「宮本むなし」だったと思うが,安い定食屋で食事をした。北海道には少なくなった,安い食堂風の店がいくつかあった。建物も新しい物と古い物が混在していた。北海道は古い建物が少ない。すぐに新しい物に変えてしまう。古い建物が残っている街が羨ましい。翌日バスに載った。バスも古かった。北海道ではこんな古いバスは使っていない。それは見栄を張らない文化ではないかと考えた。北海道では古いものをすぐに使わなくなる。見栄を張る文化ではないか。バスのアナウンスが面白かった。「岐阜大学の学長です。学生の諸君はお年寄,体の不自由な方に席を譲ってください。」このような内容だった。学生のモラルをこのような形で指導しなくてはいけないのか。午前中は自由発表を聴いていた。3回ほど質問した。地域文集を丹念に調べた研究,生活綴り方の研究などである。「文章構成法だけを指導すれば作文が書けるなどと簡単なものではない。」このようなことを言われた。文章構成としての定型だけを指導すると作文が書けるなどと誰も言ってはいない。定型と技術を指導する必要があると言っているだけである。私が紹介した本すら見ようとされなかった。この学会で発表する価値が私には感じられなかった。だから今回も難波先生のお誘いが無ければ学会へ入っていない。今回の出席が無ければ,今後も出席していなかっただろう。学会発表より雑誌原稿を書いている方が楽しいからである。更に出版企画も次々待っている。すでに次の出版企画もある。教材を書き,それが多くの方に使われる。こんな楽しいことはない。だから学会発表への関心が薄れていた。しかし今回の出席で,それだけではいけないと実感した。国語科教育改革論者の私は国語科教育を批判しなくてはいけない。是非次回は発表しよう。例えばこれである。「定型指導により誰でも書ける効果的な作文授業〜意味沢市立美園小学校1年2組の児童全員の向上的変容の記録〜」こんなのでどうだろうか。「話すこと・聞くこと」や「読むこと」よりも「書くこと」に一番関心がある。なぜかはわからない。書くことが好きだからか。国語科教育を改革していくためには進んで発表していかなくてはいけないだろう。午後は難波先生のラウンドテーブルで話題を提供した。『〈学習用語のカテゴリー化〉で〈国語学力〉を育てる』である。国語力がテーマだった。したがって国語力は大きいが国語学力としての学習用語の明示の必要性を主張した。河合塾の成田秀夫先生,東京海洋大学の大島弥生先生と一緒に話題を提供した。成田先生は国語科がいかに勉強しづらい教科かということをデータで示され,その対策としてスキル,知識,プロトコルを示された。大島先生は東京海洋大学の先生方で書かれた『ピアで学ぶ大学生の日本語表現――プロセス重視のレポート作成――』(ひつじ書房,2005年3月)の実践を紹介された。いずれも具体的に国語での学力を示された提案だった。大島先生の書を帰りに戴いた。これは使える本だ。課題設定から口頭発表までの技術が書かれている。話題例として使われているのが5年生の社会科で学ばせたいようなことである。この本は多くの方に授業で使ってもらいたい。小学生でも高学年なら部分的に使える。中学生ならこのまま使えるだろう。成田先生が大学入試の授業内容として紹介されたのが次のようなことである。「言葉を知る。話題の説明。指示語の働き。接続語の働き。段落を読みつなぐ。全体をとらえる(要約)。論理(因果関係,対,偶,逆)」などだった。(一部書ききれなかった。)「指示語,接続語」は小学校中学年での指導事項である。それを大学入試でも学ぶ。つまり文章の質や量が変わるが,骨格として教える言葉はあまり変わらないと言うことだ。フロア―の方から貴重な御質問,御意見を頂戴した。きちんと質問に正対して答えられなかった。なぜならテーマの「国語力」にか関わった話し合いにしたかったからである。授業方法としての対話や学びの深化は,ここではどうでもよい話である。フロアーの先生方との対話で私が気づいたことは授業内容観の違いである。国語科の授業内容は何か。言葉である。国語学力を指す言葉である。子供が自分で考える課題ではない。子供が自分で考える課題,学びは国語科の発展的な学習である。私も生活科では問いをたくさん作らせる。それから一つ調査する課題を決めさせる。そして調査活動をさせる。これは総合的な学習でも社会科でも行ってきた授業方法である。この授業方法をなぜ国語科で行う必要があるのか。こう書くと大村はま先生の単元学習を批判しているように受け取る方がいるかもしれない。そう受け取られてもかまわないが,私は大村はま先生の実践に傾倒していた時期もある。野口芳宏先生も御講演の中で大村はま先生の言葉を引用することがある。もちろん賛成の立場でである。大村はま先生を更に学ぶ必要があるとも思っている。大村はま先生は仰る。「私は自分のしていることが単元学習であってもなくてもよいと思っていた。強いて名づけて言わなければならないときは『効果的な学習』と言っていた。」(大村はま著『大村はま国語教室』筑摩書房,1991年7月,8ページ)私が目指しているところも「効果的な学習」である。「効果的な学習」のために国語科の授業では言葉を教える必要があるというのが私の主張である。言葉を教え,それをどのように行為化させるとよいかを教え,子供に何度も行為化させることが国語科では必要である。野口先生は更に「安定的に」と仰る。目指すところはそこだろう。言葉を教え,それを安定的に行為化させることが国語科の使命である。それを国語科の余った時間や他の教科で技術として使わせる。こうして国語科の責任を果たす。今の国語科は言葉を教えなければ技術も保証しない。だから這い回る国語科と言われる。(誰も言っていなければ私が言う。)国語科の授業内容は言葉である。授業方法は言葉を運用する場としての言語活動である。子供にとって必要な言語活動を楽しく運用させる。今の国語科では必要な言語活動すら扱っていない。例えば小学校学習指導要領にはインタビューすら書かれていない。難波先生のラウンドテーブルのお蔭で私の立場を鮮明にすることができた。しかしかなり形式主義的人間に思われただろう。これまでの内容と形式という二項対立がよくない。形式と呼ばれているものこそ国語科の授業内容なのだ。例えば段落という形式を指導するために理科的な説明文を使う。そこで話題が内容であり,文章構成が形式だという話になる。しかしそうではない。話題は文章の話題である。国語の授業での話題は段落である。段落という言葉を教える。そして段落の使い方を学ぶ。更に段落の安定的行為化を保障する。これが国語科の授業方法である。異論がたくさん出るだろうが,これが私の考えだと今回改めて気づくことができた。(難波先生のラウンドテーブルに御参加戴いた皆様,有難うございました。)今後の研究課題がはっきりした。人との出合いによって学ぶ価値の大きさを学んだ。/発表資料である。御覧戴きたい。


29日(土)学習発表会 今日は保護者公開だ。1年生の劇は好評だ。1年生は何をしてもかわいい。今回は学年の先生方がほとんど進めてくださった。実によくできている。有難い。/学習発表会終了後,岐阜へ行く。明日,全国大学国語教育学会で発表させて戴く。今回は広島大学の難波博孝先生に御依頼戴いた仕事である。発表へ行きたかったが,その時間もないのであきらめていた。しかし御依頼いただいたお蔭で,実現した。実に有難いことである。これまでの国語科を批判してくる。そして子供に役立つ学習用語指導を主張してくる。一人でも共感してくださることを願うのみである。大学教育がかわらなければ現場はからない。


27日(木) 有難いことに仕事が増えてきた。もちろん学級経営が最も重要である。子供達の学力向上に日々挑戦している。1年生はよくがんばるのでかわいい。しかしそれに甘んじていては私自身の授業力は衰える。多くの場面で話しをしたり,授業をしたりしていかないと私の授業は磨かれない。どんどん外に出て,授業力を磨きたい。まずは岐阜大学での発表である。発表資料がなかなか完成しない。しかし今日じゅうには書き上げたい。そして明日印刷し,明後日には出発である。難波先生を始め,多くの先生方との出合いが待っている。その一つ一つの出合いを大切にしたい。国語学力を具体的な用語として指導する必要性を訴えたい。 


26日(水) 片仮名テストの結果 マスターカードを使った2回目のテスト結果は次の通りだった。100点4人,90点台8名,80点台2名,60点台2名,50点台1名,40点台2名,30点台2名,20点台3名,4点1名。合計点1728点,平均点69点だった。昨日より確実に向上した。よくがんばった。4点だった子も練習してきている。しかし「アイウエオ,カキクケコ……」このように練習しているから言葉を書けない。文字は言葉を表わすために覚えるのだから,言葉を書書かせてテストする。何度も書いているうちに覚えるだろうから,できなかったところを朝の学習時間にさせる。2学期中に片仮名を覚えるとよい。焦らずに覚えていこう。/ 算数では繰り上がりのたし算を来週終える。繰り上がりは10のかたまりをつくる方法で指導している。9はあと1つで10,8はあと2つで10,7はあと3つで10,6はあと4つで10,5はあと5つで10と言わせている。この10になる数を言えない子がいた。1学期から何度も何度も言わせてきた。それでもである。具体的操作活動が足りないのか。一昨年よりははるかに具体物を使わせて数えさせているのだが。こちらも気長に取り組みたい。そのうちできるようになるだろう。/ 明日は全国大学国語教育学会の発表物を準備する。岐阜大学で学習用語の効果を発表してくる。多くの先生方に理解して戴き,現場の指導に役立てて戴きたい。大学の教官が多いのだから,大学での指導がいかに現場で役に立たないかという批判もあわせて行いたい。全員の子供達の国語学力を向上させるという責任をすべての教員が持たなくてはいけない。そのために国語科では子供にとって必要がある言語活動を通して言語活動を適正にする学習用語を指導するという国語科の授業方法を学生に指導して戴きたい。


25日(火) 片仮名テスト,文字指導の仕方 1年生用のマスターカードを使って片仮名テストをした。以前もポケモンのキャラクターで片仮名テストをした。0点が何人もいた。片仮名マスターカードですべての片仮名を終了したが,覚えていない子が何人もいた。1度の練習くらいで覚えられないことの証明である。しかし覚えてしまった子も何人もいる。認知力の差だ。覚えるのに時間がかかる子は何度も家庭で練習すると覚えることができるだろう。家庭学習は重要である。昨日の片仮名テストは25の言葉を書くものだった。私が書いた教材だ。80点以上の子が3割,10点程度の子が3割だった。また0点の子もいた。ここで片仮名(文字そのもの)の覚え方に気づいたので書いておく。今回は平仮名を一問ずつ全員で音読させてから片仮名を書かせた。書けない子を待っていない。仕方がないので,どんどん進めた。何名かが書けたというと次に進めるという速さである。そんなに速いわけでも遅いわけでもない。25問終わってから赤を持たせる。赤を持つと言ったら赤を持つ。しかしいつまでも鉛筆を持っている子や途中から鉛筆を持つ子がいる。いまだに教師の指示通りにできない子がいる。仕方がないのでえんぴつと消しゴムをしまわせた。何人かがきちんとできない。最初は間違いを赤で書かせていた。しかしこれではいけないことに気づいた。私の漢字指導のように平仮名も指導することにした。「覚えてから書く」という方法である。答えを板書する。「間違った子起立。空書き,掌書きで覚えたら見てもらう。2人に正解と言われたら座る。座ってから書く。」このくどいまでの確かめを平仮名,片仮名指導ではしていなかった。だから認知が低いのか。私の漢字指導はこのようにする。これまでの1年生でも2年生でも学級平均点95点くらいだった。しかし片仮名指導では「見てもらう」という相互(友達)評価を入れていなかった。だから忘れやすいのか。今日は片仮名テストの仕方,片仮名指導の仕方を子供達から学ぶことができた。このテストを100点になるまで何度も何度も繰り返す。家庭学習でも練習しよう。/ マスターカードの使い方 保護者の方にマスターカードを購入して戴いた。有難い。購入する必要はありません。もし,どうしても購入したいと言う方はいつでも声をかけてください。これはマスターカードだけでなく,市販のドリルの使い方でもあるので書きます。ドリルを使って一番大切なことは何か。答えを書かせないことです。私は塾で教えているときも,小学校の現場に入ってからも,自分が試験を受けるときもこうして来ました。娘にもそうさせています。ドリルやワークに答えを書かせない。学校でマスターカードを使うときには印刷して,そのまま書かせています。これも考えてみれば,紙の無駄です。何度も何度もさせないと覚えないものですから,同じ紙を何枚も印刷することがあります。しかしファイルに綴じて,別のノートなどに書かせた方がよかったと反省しています。1年生の場合,ファイルに綴じる作業をさせづらいので直接書かせた方がよいでしょうが。家庭でマスターカードなどのワーク類をさせる場合には,コンビニでコピーして使うか,それも面倒なので書かせないで使わせてください。『プランくん』や『観察カード』や『原稿用紙』は印刷した方がよいでしょう。その他は,メモをノートに書かせましょう。漢字や片仮名テストもマスターカードに直接書かせないで,ノートに書かせましょう。マスターカードにある文章をノートに視写させたり,音読させるだけでも文章力が伸びます。解説をよくお読みください。このようにワーク類はそのまま書くのではなく,ノートなどに書かせると何度でも使うことができます。マスターカードについて御不明な点は柳谷へお尋ねください。


24日(月) 学習発表会練習佳境 子供達の劇はとてもよくなってきた。器楽演奏もがんばっている。1年生にこのぐらいの劇をさせるととてもかわいい。きちんとできていない子もいるが,多くの子はよくやっている。29日の発表が楽しみだ。/ 今日の「お話対話」はスピーチ指導にした。1分間スピーチのためのメモを書かせてみた。初めてメモをきちんと書かせてからスピーチをさせた。ほとんどが1分間を超えていた。全員がスピーチができるようになったのだから,1分間で楽しく話ができるように更に育てたい。/ 渋谷孝先生から私信を頂戴した。『国語学力マスターカード』のお礼である。渋谷先生には『鍛える国語教室』でずっとお世話になってきているので寄贈させて戴いた。今月中旬に届いたはずなのに,お便りがないなと思っていた。今日,封書が届いたので,厳しい御指摘があるかなとおそるおそる開封した。すると絶賛といってよい評価である。私信なのでここでは書かないが,一読し,すぐ湯船に浸かりながら渋谷先生の文面を思い出すと涙が出そうになった。確かにこの8冊の刊行は大変だった。2003年1月に修士論文を提出し,8月に単著を書き上げ,12月に単著の校正を終えてすぐに取りかかった。なぜなら単著は直接子供の役に立たないからである。子供の国語学力を向上させる教材を書きたかった。自分がほしくい。しかし,それが世にない。ならば自分で書くしかない。退勤時に同僚とそんな話をしたが,無いなら書くしかない。それが価値ある教材ならば,本として世に出して戴ける。こんな夢のような話はない。現場にいる教員だからこそできる仕事である。現場にいる価値は大きい。私は1999年から教材を書き続けてきた。しかし本として世に出るまでには至らなかった。しかし今は違う。書けば本になる。こんな有難いことはない。間もなく2005年12月である。この本に着手してから2年かかった。冬休みどころか,年末年始も教材を書いていた。夏休みの家族旅行以外は外にも出ずに教材を書き続けていた。完成させるという責任感だけで書いていた。出版して戴いた喜びで,そんな苦労はとうに忘れていた。しかし渋谷先生の過分の評価を拝し,有難かった。感動した。若い先生方,子供達の役に立つ教材を共に書こう。野口芳宏先生からの学びを後世に残そう。次々と出版企画がある。皆様のお力をお貸し戴きたい。


23日(日) 例会報告をアップした。著書館を整理した。ずいぶんと書かせて戴いてきたことを実感した。自費出版を入れると更にあるが,明治図書で出版させて戴いた本を著書館に整理した。御覧戴きたい。今日は30日に岐阜大学で行われる全国大学国語教育学会の発表資料を作成する。野口先生に学んだ私の履歴になる。有難い発表である。『鍛える国語教室』2005年秋号の原稿も執筆する。この本も7冊目になる。書くことで頭の中が整理される。この2つに集中しよう。野口先生は集中力を絶縁能力とおっしゃった。今日は3月の授業プランと絶縁して,原稿を書き上げる。秋号の原稿はかなりある。渋谷先生から戴いた原稿を先に打ち上げようか。やはりやることはたくさんある。有難いことである。


22日(土) 第11回空知ゼミ例会 21名が参加して学習を会を行った。少し人数が減った。いつも御参加戴いている皆様に感謝したい。私は1年生以外に授業ができるので,実に勉強になる。今回は6年生用の教材を2本扱った。6年生を担任していたのは2000年度だった。それ以来6年生の教材で授業をしていないだろう。模擬授業でも6年生用の教材を扱うことは少ない。模擬授業で6年生用の教材は難しいからである。しかし空知ゼミ例会のお蔭で6年生に授業することもできる。有難い。以下,授業記録である。柳谷直明の語彙指導 「れる,られる。」を板書する。れる,られるを文末に使った一文をノートに書く。文なので「文/「〜が〜。」という形で書く。子供が書いた文に〇を付けた。「わたしがおどかされる。ぼくがおそわれる。先生がリンゴを食べられる。」などを子供が板書した。この中に一つだけ違う使い方をしているものがある。「先生がリンゴを食べられる。」自分がされるという使い方の他に,先生がされるという丁寧な言い方に使うこともある。他にも自分が自然におもったりする自発や,することができるという可能もある。プリントを配付するので,家でやってみて。次回答え合わせをする。これで10分の授業だった。/ 冨樫忠浩先生の修飾語指導 「花子さんが男の子に会いました。」と書いた用紙を黒板に貼る。この文を詳しくすると言い,絵を見せる。子供たちの発言を板書していく。外国人の/アメリカ人の/ハローと言った/このような言葉を何と言うか。誰も言えなかった。指導されていないのか。修飾語と言う。今日は修飾語の学習だ。そして次の用紙を黒板に貼った。「古いケーキ屋さんのケーキ。」古いのは何か。ケーキ屋さんだと思う人。ケーキだと思う人。それぞれ分かれた。次の用紙を貼る。「リボンをした犬をつれたアンパンマン。」リボンをつけているのが犬かアンパンマンか。これもそれぞれ分かれた。「青い鳥かごの中の鳥と遊びました。」鳥が青いことがわかる文,鳥かごが青いことがわかる文をそれぞれ書く。鳥が青いことはがわかる文はすぐにできた。「鳥かごの中の青い鳥と遊びました。」である。鳥かごが青いということがはっきりとわかる文は難しい。子供はこう書いた。「青い鳥かごに入っている鳥と遊びました。」これでよいとした。冨樫先生の解は違った。「鳥と遊びました。青い鳥かごに入っていました。」文を短くするとはっきりする。わかりやすい。こうして授業を終えた。/大谷和明先生の介入 「青い鳥かごに入っている鳥と遊びました。」という子供の解は「青い」で切るとはっきりしない文なのでよくない。冨樫先生の解はずるい。そして2つの正解例を示した。一つは「青い鳥かご」というようにかぎを使う方法である。こうするとはっきりする。もう一つの方法はハリー・ポッターの日本語版にヒントがあるという。ここで私はわかった。しかし冨樫先生の授業のときには思い浮かばなかった。「青い鳥かご」の字体を変えるという方法である。私は字体が変わって,それが気になって読みづらい。(娘は愛読している。)このように2つの代案を示された。/ 柳谷直明の説明文指導 (以下,板書をかぎにする。)「説明文」を読む。そして書くという学習をする。題名から音読する,さんはい。題名と第一段落を音読させた。図書委員会の活動とは説明文の何か。これは学習用語を引き出す発問だが,いつもスムーズに答えてもらえない。よくない問い方である。テクストを抽象的な言語に変換させるよい言い方はないものか。図書委員会の活動というのがこの説明文の題名だ。こう言いながら「・題名」と板書するとよいだろう。題名の次に書いてあるものは何か。この発問はそのままでよいだろう。答えが出なければ教えるとよい。『人類よ、宇宙人になれ』という題名の下に何が書いてあったか。作者と言う子がいた。作者は物語のときに使う言い方だ。説明文では「・筆者」と言う。「・本文」という言葉を使ったが,これは使わなくてよい。なぜなら板書が多くなるからだ。書き出しのわたしたちは一ます空いている。なぜか。子供達は答えづらいようだったが,大人相手の模擬授業ならばすぐに解は出るだろう。段落である。最初の段落なので@と書く。次の段落を音読する,さんはい。いちばん大切な。やめ,いちばんの上にAと書く。第2段落だ。次の段落,さんはい。月一回の。やめ。何て書くの。B。書いたか。Cさんはい。これからも。そうだ。これで終わり。4つの段落からできている説明文だ。ここで文章構成と板書した方がよい。次のように板書したが,書きづらいかった。「・本文−段落1/−段落2なか/−段落3まとめ」である。すっきりと「文章構成/段落@はじめ/Aなか1/Bなか2/Cまとめ」と書こう。/そして4つの構成の役割を読ませた。しかし説明文例の次を音読させた方がよいだろう。DEと段落番号を書き進めている子がいた。したがってがんばりたい。の次の空いている行に線を書かせるとよいだろう。がんばりたい。までが説明文の例だ。みなさんのからは説明文の説明だ。この説明文が上手だと思う人は○。上手ではないと思う人は×をノートに書く。〇の人「〇6人」×の人「×12人」だ。〇の人はこの文章でよいという考えである。×の人に意見を聞いてみよう。どこが上手でないのか。私は×です。なぜならCは共通する性質と役割に書いてあるのにそうなっていないからです。このように一人の6年生が発言した。私が指導しようと考えていた所である。すごい。「C共通すること」何に共通するのか。AとBである。Aには何が書かれているのか。Aの1文目を音読する,さんはい。いちばん大切な仕事は、図書室の貸し出しだ。この文の中で重要な話題に〇を付ける。6文字である。「A本の貸し出し」だ。Bの1文目を音読する,さんはい。月一回の委員会活動の時には、まず、本だなの整理をする。この文の中で重要な話題に〇を付ける。6文字である。「B本だなの整理」だ。するとAとBをあわせてまとめでは「このように」を使って,こう書くとよい。このように図書委員会では本の貸し出しと本だなの整理を行っている。これは原稿用紙に書かせた方がよい。今回は書かせなかった。今日の授業は「リライト」である。『リライト』とは『元の文章を書き直して読みやすくすること』(広辞苑)である。文章をリライトする2つの方法を教える。一つは「・言葉を削る。」ことだ。@を音読する、さんはい。わたしたち図書委員会は、学校の図書室で活動を行っている。この文の中でいらない所を削る。どこにするかを決めていない人。全員に決めさせる。では,ぱっと手を挙げる。わたしたち−多数。図書委員会は−無し。学校の−数名。図書室で−1名。活動をー無し。行っている。−無し。そうだ,わたしたちと学校のはいらない。図書委員会は図書室で活動を行っている。はだけだと少し変な感じがするので,ではにする。更に予告の言葉を入れるとよりよいだろう。『次の2つの』を入れる。これで第1段落と第4段落をリライトした。次に第2段落をリライトする。Aを音読する,さんはい。〜。6文ある。○の数だと言っている子がいた。文を数えるということが指導されていない証拠だ。6分の中で,これは読みにくいという文を決める。なかなか決められないようだった。いちばんの文ー〇人。貸し出しはの文−〇人。一週間のの文ー数名。私はの文−1名。毎日のようにの文ー多数。わたしはの文も読みにくい。特に読みにくいのが,一週間のと毎日の2文だ。この2文がなぜ読みにくいのか。ここで考えさせたい。模擬授業ならば,解が出るだろう。昨日は出なかった。共通して使われているいらない言葉がある。「×いて、」だ。これを「いる。にする。すると「・一文を短くする。」ことができる。説明文では題名や筆者名が書かれている。話題,問い,答えという学習用語も指導するか。問いと答えという用語を指導するならば,問いの文を書かせる必要がある。問いを書いていない説明文が教科書にどのくらいあるのかを調べるべきだ。その上で検討しよう。次の時間に説明文を書く。今日学習した「言葉を削る。」ことや「一文を短くする。」ことに気を付けて説明文を書こう。こうして終えた。/大谷和明先生の下の句かるた指導 北海道では下の句かるたを行っている。私も子供の頃,下の句かるたを行っていた。大谷先生は下の句かるたの複写を用意し,読み方を指導した。下の句かるたを数回行って楽しんだ。TOSSの五色百人一首に対応した指導である。参加者のほとんどが楽しんでいた。こうして授業記録を書くと,次の授業のネタが見える。 


20日(木) 明日は空知ゼミ例会 終末は一週間の疲れがたまる。しかしゼミ例会がある週は疲れが飛ぶ。夜の授業ができるからである。明日は6年生用の授業を2本用意する。マスターカードを使った授業もしたいが,何人かの先生がいらっしゃるので30分くらいしか私は使えないだろう。説明文の読解指導と「れる」「られる」の授業をする。「れる」「られる」の授業はまあまあ楽しいだろう。説明文の読解授業は『検定外 力がつく言語技術教科書』を使う初の授業である。楽しくするのが難しい。


19日(水) 席書大会 昨日の放課後,席書大会を行った。大会といっても希望して200円を支払った子が教室に残って視写しただけではある。1時30分くらいから始めて,3時くらいまでかかった。がんばって書いた。入賞するのは難しいが,このような機会に挑戦することで学力が伸びる。7名の子供達,よくがんばったね。/昨日は片仮名テストをした。ポケモンを5つノートに書かせた。0点が数名いた。片仮名マスターカードは書く回数が少ないので忘れやすいのかな。これから国語の時間にポケモンを書かせていこう。/2組の給食時間は大賑わい。席を自分達で変えさせている。わいわい言いながら食べている。実に楽しそうだ。でも,野菜を食べる量は増えない。/どんぐりこまを作った。家でもどんぐりを拾ったら作ってみるとよい。大君が上手にまわしていた。先生が一番上手だけどね。(^_^)v /親子レクの出席をとります。2組は11月2日9時30分〜です。連絡ノートに出欠をお書きください。カレーライスを子供と一緒に作ります。材料費を集めます。大人100円,子供100円です。御飯,食器,スプーン,バター,洗剤,ふきんなどを持ち寄りましょう。ジャガイモはたくさんできました。カレー以外にも蒸かして食べることがでそうです。時間が余れば何かして遊びましょう。お待ちしております。/ 連絡ノートから 14日はとてもわかりやすく,みんなが楽しんで授業をしていてかっこよかったです。あんなにたくさんの先生の中で,みんな堂々としていて,すてきでした。自分の子供があんな貴重な経験をしたことに感謝します。ありがとうございます。帰ってきて,〇が発言するときは,すごくドキドキしたんだと言っていました。それでもよく発言したと思いました。家でも同じことをやってみました。楽しかったです。これからもがんばってください。18日,先生のワークですが,いつまで購入できますか? 今日の素直を読みました。子供達もとてもがんばっているし,偉いです。でも一番努力して子供達のことを一生懸命に考えてくれている柳谷先生にとても感謝しています。うちは主人も自営で私も仕事をしていたりで,どうしても時間がなかったりもしていますが,先生の話すこと・聞くことの教えは,私はとても重要だと思いますし,これからも子供が生きていく上で必ず重要になっていくと思います。家庭学習もがんばります。/ 有難うございます。これまでも私は授業のことばかり考えて生きてきました。しかし今年は更に授業のことばかり考えています。どうすると子供の話す力を無理なく伸ばすことができるのか。どうすると無理なく作文を書く力を育てることができるのか。寝ても覚めても授業のことばかり考えています。でも私にとって授業のことを考えるのが楽しいのです。周りの先生も私が忙しそうに仕事をしていると楽しそうだと言ってくださいます。かわいい子供に囲まれて,楽しい授業のことを考えて生きていける教師という職業はパラダイスだと私の師の野口先生は仰います。まさにそう思います。保護者の御感想に心から感謝します。更に国語を学びたい方は金曜日の学習会にいらっしゃってくださいね。


18日(火) 第60回北海道国語教育研究大会空知(岩見沢)大会の速報から 次のような御感想をお寄せ戴きました。有難うございます。貴重な授業感想なので転載させてください。執筆者の許可を得ていませんので,名前を伏して御紹介します。「柳谷先生の授業を参観させていただきました。1年生とは思えぬ程,はっきりとそしてしっかりと子ども達が話し,聞いていることに驚きました。授業場面でもくり返し定型を意識され指導されていました。普段の学校生活でもしっかりと教えられていらっしゃることをうかがい知ることができました。子供たち一人一人が自信を持って話す姿がとてもかわいらしく,知的で「論破」という手法を少し学んでみたいと思いました。このような学びの機会を持ってくださった授業者の皆さん,そして大会関係者の皆さん,本当にありがとうございました。」「1年生の『論破』を興味深く参観させていただいた。内容が盛りだくさんの感はあったが(柳谷先生ご本人もおっしゃっておりましたが),お話対話や論破・作文など,型や技術などを示して「子どもを鍛える」という意味を改めて学ばせていただいた。指導者側の感覚で,子どもの限界を決めてはいけないと強く感じました。」「今年の校内研修が国語の『話す』『聞く』なので,この授業を参観しました。入学してから半年の間,授業に参加する姿勢,約束,発表の仕方など,かなりの場を積んでのぞまれたのがわかります。よく時間いっぱい,子どもたちは聞き,考え,話したと思いました。普段の実践が生かされていると思い,参考になるところもありました。自分の学校の実態に戻ってみると,学力差が教室内にある中,話すことが苦手な子。話し方がわからない子への変容をいかに目に見える形にしていくか,やはりどの子にも力をつけさせたいので,参考になった技術・知識を,これからの校内研に還元していけたらと感じました。今までいろいろと準備をされた先生方,お疲れ様でした。」「論破の授業と聞きなれない内容だったので楽しみにしておりました。子どもたちがすごく力を伸ばしていることが伝わってきました。子どもたちに国語力をつけるための基準を明確にして授業されているのがよくわかりました。作文の料,スピーチの時間,反論の仕方など,柳谷先生が開発した学習用語の明確さがいかに大切かがよくわかる授業だったと思います。」御感想,有難うございました。授業を参観された先生,是非御意見,御質問,御感想を寄せください。お待ちしております。/ 今日は音読の授業をした。板書はこうだ。「音読/声を揃える。=心を揃える。/・強弱/・緩急/題名−強/作者名−弱/本文−間/会話文ー変える/・すらすら/・口形」このような学習用語を指導する。すると子供達の音読力はぐんぐん伸びる。「会話文は強く」こういう子供がいたので「エルフィーが死んじゃった。」という会話を大きな声で言うと大爆笑だった。1年生は面白いことでうける。 


17日(月) 保護者の声 次のような声を保護者から頂戴しました。御紹介させて戴きます。14日は御苦労様でした。いつもより少しおとなしい子供達? と感じました。たくさんの人,部屋の暑さに負けたのかな? でも〇〇に訊けば「楽しかったよ」とのこと。みんな立派でした。めったにこのような機会には恵まれないのではないでしょうか。貴重な体験ができたと思います。/ 有難うございます。『ずーっと ずっと だいすきだよ』は悲しいお話です。悲しいお話での討論は盛り上がりません。しかしことばだけではなく,それを体全体でエルフィーに伝えていたぼくの行動と心を読ませたくてあの本にしました。昨日訊くと×が3名,他が〇になっていました。もちろん○が正解ですが,言葉だけではないので×とも言えます。どうして×ではないのか。なぜ〇なのかを考えさせたかったのです。「抱っこして階段を登ったから。」という発言がありました。まさにそのような行動によってエルフィーはわかってくれたのです。言葉ももちろん大切です。しかし言葉だけではいけません。言葉を行為化することが大切であり,そうさせる心が大切なのです。いい物語でした。子供達はよく考えて発言していました。/ 金曜日の授業,御苦労様でした。楽しかったです。〇も「楽しかった!」と「手を挙げたけど話せなかった。」と言っていました。岩見沢新聞もとっているのですが,大きく先生が載っていましたよ。先生の影で〇は写っていませんでした。残念。柳谷先生の授業はむずかしく,家庭でもどうやって手助けをすればよいのか考えてしまうこともありのですが,その子なりに日々成長しているのを見るのはうれしいですね。/ 有難うございます。全員に発言させたいのですが,なかなか時間の関係でそうもいきません。しかし一日に一度は全員発言を目指しています。これだけ発言させている授業は少ないと思います。子供達はしゃべりたいのです。だからしゃべる機会を作りたいのです。低学年からどんどん話す機会を作るとこのように話すことができる子供達になるという事実を全道の先生に示すことができました。多くの学級で討論させてほしい。そしては話す力をすべての小学生に保障してほしいという願いで教材を開発し,授業を開発しています。子供達に訊くと「お母さんは忙しくて,読み聞かせをしてくれない。」と言っていました。以前の通信にも書きましたが,私が授業でやっているようにお母さんがやってくださると子供はぐんぐん伸びます。だから授業記録をたくさん書きました。大人の意識を変えると子供はどこまでも伸びるということを私はこの子達から学んでいます。すばらしい子供達と出合いました。/ 金曜日の研究会,見させていただき,有難うございました。レベルの高い授業の中で子供達が楽しくやっていたので,よかったです。1年生のうちから人の話しを聴く力,人に意見を伝える力を身に付けることは,これから他の教科を学ぶに当たっても必要なことだと思います。/ 有難うございます。まさにその通りです。一昨年度,私は初めて1年生を担任しました。そのときには私の授業を保護者にわかって戴くことが難しいなと思いました。スピーチ,インタビュー,課題調査などをなぜ1年生が行うのかという御質問がありました。今年度は,そのような活動を一学期に行いました。そして今は論破を行ってきました。札幌の先生方も驚かれていました。助言に来てくださった札幌の校長先生は「完璧な授業」と仰いました。私自身としては70点くらいだったと反省していますが。それにしても1年生のここまで発言し,作文を書くということに驚かれていました。保護者の皆様の御協力のお蔭です。/ 全道国語研,お疲れ様でした。学級全員が高いレベルで発言したり,聴いたりしていました。1年生でも鍛えれば伸びる,と強く感じました。分科会で「読む」のではなく「話す」というお話がありましたが,とても参考になりました。原稿を読むのではなく,話せる子を育てたいと思います。000はとても楽しかったそうです。家でも論破の続きをしていました。1年生の終わり,どこまで伸びるか,楽しみにしています。有難うございました。/ 有難うございました。子供達に訊くと,全員が楽しかったようです。しかし向上したと思えない子が数名いました。発言できないとくやしいのでしょうね。そのために書かせたのです。発言できないくやしさを文章にすると,そこで発言することができることを知ってもらいたいと思います。すばらしい子供達との出合いに感謝します。保護者の皆様,御協力戴き有難うございました。2月6日(月)には私の師である野口芳宏先生を美園小へお迎えします。もしお時間がある方は,是非お手伝いください。椅子運び,受付をお手伝い戴けると有難いです。よろしくお願いします。更にお子様の国語学力を向上させたい方は,金曜日の学習会へいらっしゃってください。お待ちしております。お話対話,論破ごっこをしてあげてくださいね。 


16日(日) 21日(金)の予告 空知ゼミ学習会も11回目を迎える。10回目の報告をようやく書いた。しんどいが,例会報告を書くと新しい授業開発のネタを拾うことができる。ようやく書いたよ! 御覧戴きたい。「イベント情報」にある。NIEの全道大会での発表の依頼を戴いた。NIEは大切にしたい活動なので,有難く臨ませて戴く。


16日(日) 授業参観及び授業検討のお礼 2005年10月14日,岩見沢市立南小学校で授業を公開した。第60回北海道国語教育研究大会空知大会でである。700名を超える大会だった。私の教室に入りきれなかったようである。「話すこと・聞くこと」領域で「論破」の授業を1年生と行った。1年生は私が思っていた以上に発言し,私が思っていた以上に書いた。書く時間は最後4分30秒くらいしかなかったが,少ない子も4行書いた。多い子は13行書いた。すごい1年生に育った。初めて聴いた物語で,自分の生活経験を根拠としてよく反論した。「根拠が弱い。」という御意見を頂戴した。私もそうだと思った。確かに根拠は弱い。しかし反論の技術を1年生に教えることが一つのねらいなので,あれはあれでよいだろう。更に物語の内容ではなく,話し合っている内容の価値を認めさせたかったのでテキストは無くてよい。一切配付しなかった。ただし話し合っている内容の価値を私は授業の最後に評価していないので,目標が達成できたとは言い切れない。子供達の発言に,それを求めるしかない。最大の反省は終了時間を超えたことである。45分という時間できちんと終わるということを常に心掛けている。その意識が飛んでいた。5分間終了時間を超えた。かつて参加した研究会では時間を超えて授業をしていた。話にならないと思った。更に個別の評価を考えていないと言った。評価を考えないで授業ができるのかと批判した。私の本『〈学習用語のカテゴリー化〉で〈国語学力〉を育てる』(柳谷直明著,明治図書,2004年3月。)にも少し書いた。それなのに私自身が時間をオーバーしたことに愕然とした。まだまだ未熟である。更に教師修業に励む。終了時間を超えたことは,参観された若い先生方は見習わないで戴きたい。1年生のこの子達の姿を一つの理想像として戴きたい。そして教科書に教材があるからではなく,子供の実態に不備・不足・不十分があるから,それを向上させるために授業を行なって戴きたい。すばらしい子供達と出合うことができた。保護者の皆様,心から感謝申し上げます。授業参観に来てくださった皆様,授業批評を頂戴した皆様,心から感謝申し上げます。今後も是非,授業実践を交流しましょう。御一緒に学び合いましょう。私の研究会への御参加をお待ちしております。/ 谷川俊太郎先生 昨日は谷川俊太郎先生の講演があった。講演は引き受けないらしい。そこで対談形式で行われた。9年前の対談で多くの文種を国語科で扱った方がよいというお話しを伺ったことを記憶している。今回も仰っていた。「冠婚葬祭のときの言葉,手紙などの書き方」などを教えた方がよいというお話である。私が今回出した本はまさにそれである。教科書教材だけでは教材が足りない。だから自主教材を作成する必要がある。そこで自分で書いたわけである。「世界最低の国語教科書」とまで谷川先生は言及されていた。そこまではわからないが,教科書教材だけでは教材が足りない。教科書教材だけでは国語学力が適正に育たないというのは私も主張しているところである。9年前の北海道国語教育研究大会では「詩の創作」の授業を行った。そのときはかなり谷川俊太郎先生の書を読んでいた。私は野口芳宏先生に学び続けてきた。更に谷川俊太郎先生の影響も受けていると実感した一日だった。横に座っていた同僚の先生方が谷川先生のお話と私の主張を比較して笑っていた。「現場の先生が教材を作ればよいのですよ。」まさにそうである。帰路,岩見沢駅から電車に載った。老齢の方がホームにいた。谷川先生もこのくらいの年齢だなと目を止めた。73歳だったか。すると谷川先生だった。一人の老人に戻っていた。声を掛けないで失礼した。谷川先生の孤独を守るために。


13日(木) 授業研前日 今日は子供達と楽しむことができた。授業態度,姿勢などをきちんとさせるたいのできちんとできていない子を注意してきた。それは楽しくないことである。しかし許容してはいけない。姿勢をきちんとできないこにはきちんとできるように注意するしかない。鉛筆を持たない方の手を横にしておく。背筋を伸ばす。背筋を曲げていては体に悪い。今日は論破ごっこを開発した。これは楽しい活動だ。明日の公開授業の前に公開する。発言の仕方はやや課題が残ったが,文章を書く力は驚くほど向上した。発言の仕方は私がきちんとした理想像を持っていないからだ。そもそも効果的な論破の方法はこれから大いに検討されるべき話題だろう。国会議員ですら,見事な論破の手本とはいえないのだから。その点,作文は書く速度が向上するとよい。どんどん書ける能力を公立小学校で保障する必要があるからだ。全員が5分間で100字を書けるようになった。速い子は5分間で300字を書く。すごい一年生軍団だ。明日の公開授業の最大の目的は子供たち全員の向上的変容を保障することである。そのためにもっとも大事なことは私の睡眠である。さっさと寝る。御参加戴く多くの皆様からの御批評を楽しみにしている。


12日(水) マスターカード4年,6年,中学版のこと 明治図書のHPでは標記の本の在庫が無いとあります。すでに売り切れか,と思いました。しかし5日に出て,11日に完売とは早すぎます。明治図書に問い合わせた所,「発刊直後に数冊、見返し紙の汚れが見つかり、全品検品・再作成中でした。ただ今確認したところ本日再入庫したようですので、本日中にはネット上でも『在庫あり』になるかと思います。」このような返信を戴きました。間もなく販売が再開されると思います。インターネットでのお申し込み,書店へのお申し込み,図書館へのリクエストをお待ちしております。/ 保護者の皆様へ 14日はいよいよ『第60回北海道国語教育研究大会・空知(岩見沢)大会』です。1年2組の一日を書きます。登校は普通通りです。この日は1年2組だけです。朝から体育館で遊ばせます。8時40分くらいから出発準備をします。持ち物は国語教科書,ノート,筆箱(削ってある鉛筆,赤ボールペン,ミニ定規),外靴を入れるビニル袋です。手提げの小さなバックだけでよいです。ハンカチ,ちり紙は当たり前です。教室からは百人一首を持って行きます。時間があるようなので遊ばせます。9:00にバスに乗ります。9:10美園小発,南小着9:30です。授業開始10:30です。10時過ぎたら多くの先生方が教室へいらっしゃるでしょう。参観される保護者の方は,その前にいらっしゃるとよいでしょう。教室は1階です。1階玄関から入られて,体育館へ向かう途中にあります。「分科会1」を尋ねていらっしゃってください。授業終了11:15です。斉藤先生が子供達と一緒に下校してくださいます。私は授業反省会に参加してなくてはいけないので一緒に下校できません。11:30南小発,11:40美園小着です。このまま下校です。児童館へ行く子は,この後児童館です。給食はありません。授業は「お話対話」と「論破」です。去年からこの日の授業に使うことを決めていた絵本を使います。何のお話かは子供達に知らせていません。授業でのお楽しみです。発言できなくて苦しんでいる子もいるようです。しかし私から見るとよく発言しています。発言の仕方もずいぶんと修正してきました。私自身,どのように発言させることがこの子達に一番合っているかを探ってきたからです。ようやく引用を使って発言することができるようになってきました。しかしこのような発言の仕方は高学年でもほとんどの子はできません。だからこそ低学年から鍛える必要があるということが私の提案なのです。このような活動が1年生に必要なのかと批判されることでしょう。このような活動を子供達にさせてこなかったから日本人は話が下手だと言われるのですと反論します。そして空知の子供はこんなにすばらしいのだと紹介します。作文もすばらしく書けるようになりました。柳谷学級でがんばっているお子様を十分にほめて,その気にさせてください。公開授業が楽しみです。/ お話クイズ 機能は子供達同士でお話クイズをさせました。お母様方も,どんどん読み聞かせを行ってください。1ページ読むと閉じる。「いつのお話。」,「どこのお話。」,「主人公は誰。」,「中心事件は何。」,「なぜ〜したの。」こう問うとよいのです。なかなか話を聴けないなと思う子には特にお母さんが絵本をこのように読み聞かせてください。私は「お話対話」と呼んでいます。楽しいですよ。紙芝居も読ませました。


10日(日) あっという間のすてきな時間 昨夜,千葉から帰宅した。貴重な研修の2日間だった。第一日目は野口先生の古稀記念研究集会だった。すごい一日だった。朝一番,私がスピーチした。「野口実践を残しましょう。」これだけを主張することができた。野口先生の生い立ちなどの御紹介を堪能した。江部満編集長の御講演に戦後の国語教育史を学ぶことができた。編集長にお願いし,編集長の御講演を秋号に掲載させて戴きたい。多くの著名な先生方と初めてお目にかかった。懇親会へ酒井先生もいらっしゃった。版画指導のお話を伺った。棟方志功の版画から版画指導を考えたという話である。酒井先生の教材開発,教材研究に驚く。/ 第二日目は千葉大学で学んだ。私のワークを販売してくださっていた。販売担当の小柳さんにお世話になった。戦後の教育を野口芳宏先生,有田和正先生,酒井臣吾先生,飯田稔先生が語られた。特に飯田先生のお話に驚いた。野口先生と千葉附属小で御一緒だったそうだ。「これは売れますね。」著名な先生に私達のワークを評価して戴いた。江部編集長は「すぐに重版になるでしょう。」と仰ってくださった。大会席上で司会をされていた江部編集長から発言を求められて驚いた。言語技術教育学会で具体的に提案していない学習用語を明示した野口先生の授業に学ばせて戴いたことを発言した。酒井先生の「模写による鑑賞指導」にも驚いた。鳥獣戯画の模写だった。3日前に発案されたそうだ。3月の私の授業で教材文を批判してもよいということを編集長に確かめた。そして編集長に私が書いた低学年版の作文ワークを御覧戴いた。「気に入りました。進めてください。」と仰って戴いた。有難いことである。更に次のシリーズを提案した。これも御賛同戴いた。編集長の懐の大きさに改めて感動した。野口先生からタクシーチケットを戴いたり,有田先生にワークを紹介したりなど夢のような2日間だった。2日間の学びを今日一日で整理する。全国の先生が2月に札幌に来てくださるかもしれない。一流の先生方と知り合うことができた。これもすべて野口先生のお蔭である。新たに「鍛える国語教室」研究会のゼミづくりに励む。有難い2日間だった。


2005年10月2日(日) 日本言語技術教育学会模擬授業決定 来年3月4日に大阪で行われる日本言語技術教育学会の席上,私が模擬授業をさせて戴くことになった。野口芳宏先生の御推薦である。事務局から依頼状,教材,指導案提出などの書類が届いた。それに先立ち,江部満編集長から原稿依頼を頂戴した。『言語技術教育』第15集の原稿である。この本が大会席上で配布される。指導案の締切りは2月だが,本の締切りは11月末である。ということは11月末までに授業を確定する必要がある。授業タイトルを次のように決めた。『<学習用語のカテゴリー化>で<国語学力>を育てる』とする。私の拙著の書名である。私が主張したいことは拙著に書いた。だから私が主張したいことを御理解戴くために拙著をお読み戴きたい。拙著の紹介のようで申し訳ないが,お読み戴きたい。<学習用語のカテゴリー化>を実現すると効果的・効率的指導が可能になる。短い時間で子供達の<国語学力>を育てることができる。大会当日は具体的な学習用語を用いた授業を行う。短時間で行うために新作「作文マスターカード」を用いる。この授業を2月の国語修業講で行おう。丁度,新作「作文マスターカード」を提案する予定だったからである。とにかく『検定外 力がつく日本言語技術教科書』は優れている。これは大きな話題になることだろう。その教科書を使った日本初の授業を3月4日にさせて戴く。恐れ多いことである。全力で教材・授業開発を行う。わくわくしてきた。/ こんなことで市毛勝雄先生の教材を読み込み,授業を考えているうちに午前中が過ぎた。今日で全道研の提案資料を完成されなくてはいけない。仕事を切り替えよう。この資料を30日の岐阜大学へも持参する。次々と新しい仕事に感謝する毎日である。実に学びの日々である。空知ゼミ例会報告,授業記録を今日も書くことができないようだ。とにかく全道研の仕事を終える。